鎖骨骨折した後のリハビリで気をつけた方がよいこと

鎖骨骨折した後のリハビリで気をつけた方がよいこと
スポーツや事故などで、鎖骨骨折をした場合、リハビリから完全回復までにはとても時間がかかりますよね。ちなみに鎖骨とは、ご存知の通り首の下に位置する骨です。首の付け根の中心部から両腕へと左右に伸びる太い骨が鎖骨です。

鎖骨骨折をすると、ギブスのようなバンドで鎖骨周辺を固定し、骨の接合を待ちます。個人差はありますが、1~2か月ほどで骨の接合を確認できたら、ギブスで固定するのをやめて、簡単に着脱できるバンドのようなものに付け替えます。その後骨がきちんと接合するのに、2~3か月ほどかかることが、鎖骨骨折の一般的な回復までの流れです。

ギブスが外れた時点で、医師の許可のもとに鎖骨骨折後のリハビリを始めることになりますが、リハビリではいくつか注意点があります。そこで今回は、鎖骨骨折した後のリハビリで気をつけてほしい事についてお伝えします。

 

鎖骨骨折した後のリハビリで
気をつけた方がよいこと

 

ゆっくりと腕を大きく回す

鎖骨骨折をしてからギブスが外れてすぐの方は、鎖骨周辺の肩周りのコリや痛みに顔をゆがめることでしょう。ギブスで固定していただけあって、鎖骨周辺はかちかちに固まってしまっています。特に、鎖骨骨折の際のギブスの難点は、「両腕を上げられない」ということでしょう。ギブスを外してから両腕を上げようとするだけで、痛みに襲われるのです。

そこで、まずは固まった周辺組織を傷つけないようにゆっくりと、腕を大きく回しましょう。腕を上げるだけでも一苦労なので、まずは「腕を回せるようになること」を目標に、ゆっくりと痛くないように行いましょう。鎖骨骨折のリハビリの初期は、肩や腕を大きく回すことから始めます。

 

肩の可動域を徐々に広げる目標をもつ

上述したように、鎖骨骨折のリハビリは、腕を大きく回せるようになることから始めます。はじめのうちは、少し肩を回すだけで痛みが走ります。しかしギブスが外れて固定しなくなったら、日常生活の中で無意識に肩を上げる動作をするでしょう。そして、急に肩を動かすたびに鎖骨骨折した周辺に痛みが走るのです。

鎖骨骨折のリハビリは、常にこの痛みとの戦いで、「如何に痛みを感じない範囲で肩の可動域を広げていくか」という点がポイントになるでしょう。焦りは禁物です。毎日の生活の中で、肩の可動域を少し広げる感覚で鎖骨骨折のリハビリを行いましょう。

 

肩の筋肉の回復を目標に

鎖骨骨折をすると、鎖骨が動かないように両肩の動きを制限するようにギブスを装着します。そのため、ギブスが外れるまでの数週間、肩の筋肉を使わずにいます。ギブスが外れたとき、鎖骨骨折をした周辺部位が痛むのは、動かさなかった筋肉の痛みなのです。肩を使わないことで、肩周辺の筋肉が著しく衰えているため、鎖骨骨折のリハビリは筋肉の回復を目標に行います

筋肉をつけるためにはまず、凝り固まった周辺部位をほぐすことから始めます。腕を回せるようになったら、徐々に肩の筋肉を回復させるリハビリに移行していきましょう。くれぐれも無理は禁物です。

 

骨を強くするビタミンK

鎖骨骨折のリハビリ中に気を付けることとして、摂取する食事の注意点がいくつか挙げられます。好き勝手なものばかり食べずに、鎖骨骨折の骨の結合を助ける栄養素を多く摂るように心がけましょう。また、鎖骨骨折の際にギブスで動かさなかった周辺部位の筋肉をつけるためにも、たんぱく質を多めに摂るようにするといいでしょう。

「骨を作る」というと、誰しもが「カルシウム」を思い浮かべます。しかし「カルシウム=牛乳」と考えて、牛乳や乳製品を多く摂るのは間違いです。牛乳に含まれるカルシウムを分解する酵素は、日本人の体内にはないため、牛乳の大部分の栄養素は吸収されずに排出されるからです。カルシウムは日本人の体に適した小魚や海藻から摂るようにしましょう。

また、骨を強くするビタミンKという栄養素を積極的に摂るようにしましょう。ビタミンKは「納豆」や「つるむらさき」や「モロヘイヤ」など、ねばねばの食品に多く含まれています。

 

リハビリ中の食生活

鎖骨骨折からの回復期、リハビリ期間中に積極的に摂取すべき食品を紹介します。上述した「ビタミンK」や「カルシウム」はもちろん、「ビタミンD・C」に「マグネシウム」「カリウム」「亜鉛」などが骨や周辺組織の再生成に役立ちます。

上にも紹介した通り、牛乳などの輸入食品は日本人の体質に合いません。紹介した栄養素をすべて網羅する素晴らしい食材は、すべて海の中にあります。サケやサンマにはビタミンDが多く含まれています。また、ヒジキや昆布、牡蠣やシジミも、リハビリ中の栄養の助けになるでしょう。

 

急な動作で再び骨折に!

鎖骨骨折のリハビリ中に気を付けなくてはならないことは、「再び骨折しない」ことです。鎖骨骨折をすると、肩周辺の筋肉の再生がリハビリの目標になります。

しかし日常生活で、無意識に急に腕を上げる動作をすることは、よくあるのです。急に動かすことで、肩周辺の固まった組織が痛むこともあり、接合過程の骨折部位が再び骨折してしまう危険もあります。両腕を使った動作を、特にゆっくりと行うように常に意識していましょう。

 

さて、鎖骨骨折をした際のリハビリの注意点をお伝えしました。特に、リハビリ期間中の食生活は、けがの回復期間に大きく影響を与えます。骨や筋肉を作る栄養素を多く摂り、一日も早い回復を目指すといいでしょう。

食事を用意する家族の助けも必要不可欠となります。お子さまが鎖骨骨折をした場合の食事は、上に紹介した食材を中心に用意するといいでしょう。骨折のリハビリの注意点は似ていますが、鎖骨という特殊な部位の骨折だけに、両腕の動きにかなり神経を使うことでしょう。

カバンを持つ時や、立ち上がるときなど、急な動作の際に鎖骨周辺を痛めないように気を配りましょう。2~3か月もすれば、痛みもだいぶ治まって、骨の接合も進むはずです。

まとめ

鎖骨骨折後のリハビリでの注意点

・リハビリはゆっくりと行う
・肩の筋肉の緊張を徐々にほぐす
・肩の筋肉を回復させる
・ビタミンKを摂る
・亜鉛やビタミンDなどを多く摂る
・急な動作をしない

タイトルとURLをコピーしました