「尾てい骨」というと、股の恥骨をイメージされる方が多いですよね。尾てい骨は、骨盤からお尻側に突き出た骨を指します。
尾てい骨を骨折すると、座るときに座面に患部が当たるため、痛みを発症します。尾てい骨骨折中は、座る動作がとても困難になることを覚悟しておく必要があります。
また、立つ動作、座る動作の時に痛みが発症するため、生活はとても不自由になり、座るときだけでなく、寝る時も尾てい骨は痛む事が多いです。
寝返りなどによって尾てい骨が下側に来た時や、あおむけになると痛むという人もおり、寝返りを打つのも大変になりますので、尾てい骨骨折をすると安眠が取れなくなります。
そこで今日は、そんな尾てい骨を骨折した人のために、完治までの期間や治療法、7つの豆知識についてお伝えします。
尾てい骨の位置
上記にも書いたのですが、尾てい骨は骨盤の後ろに出た突起した小さな骨のことを言います。骨組みだけをみると、尾てい骨は昔人間が尻尾のある生き物だったことを想像させる位置にあります。
尻尾のあるサルから、尻尾のいらない地上生活を安定して送ることによって、尻尾のない人類に進化したと思われます。尾てい骨は尻尾の合った時代の名残とも思える位置にあり、別名「尾骨」とも呼ばれています。
尾てい骨骨折の原因
尾てい骨を骨折する原因はいくつかあります。スキーやスノボーなどのウィンタースポーツで、しりもちをついたときに尾てい骨を激しく骨折したという人も多いです。
日常生活の中でも、転んだ時や階段から落ちたときに尾てい骨を骨折することがあります。しりもちをつくと、ちょうど尾てい骨が地面にたたきつけられるため、骨折の危険があります。
尾てい骨を骨折した時の治療法
さて、尾てい骨を骨折したことのある方ならご存知でしょうが、尾てい骨骨折の治療法は、実は「ありません」。「治療法がないなんて!」と驚かれるかもしれませんが、尾てい骨骨折をしたら「安静」にすることが治療法なのです。
足の骨のように、骨折した際にくっつけるためにギブスをする必要もありません。勝手に骨がくっつくのを待つしか治療法がないのです。
「こんなに痛いのに、治療法がないなんて!」と焦るかもしれませんが、尾てい骨骨折はギブスなどの治療の必要のない部位なので、とにかく安静にして骨が結合するのを待ちましょう。
尾てい骨骨折から痛みを感じなくなるまでの期間
尾てい骨を骨折すると、骨が結合するまでの間は、座ることや寝る姿勢の度に尾てい骨が痛みます。では、尾てい骨はどのくらいで結合するのでしょうか。
骨折した骨の結合は、個人差が大きいので一概には言えないのですが、たいていは2~3か月という期間を見ておけばいいです。尾てい骨は排尿の時や座るときに痛みを感じるため、日常生活が困難になります。
しかも治療法がないため、困難な状況を2~3か月続けなくてはなりません。
尾てい骨骨折中の生活
尾てい骨骨折中は、座る動作がとにかく辛いと感じます。
そこで尾てい骨骨折中に座るために、妊婦さんの使う「ドーナツクッション」をお勧めします。ドーナツクッションの固めのものを使用すれば、座っても尾てい骨が地面に当たらずに、痛みを感じなくて済むからです。
妊婦のためのドーナツクッションのほかに、骨盤を狭める目的の耐久性の高いドーナツ型クッションも存在するので、いろいろ試して骨折部位が痛まないものを完治までは使うといいですね。
分娩が原因で痛みを感じる
女性の方は、出産の際に尾てい骨を損傷する場合があります。出産のときは、自然に尾てい骨が尻側に反り返り、赤ちゃんが通過しやすいようになります。
しかし陣痛の激しい痛みによって身もだえ、分娩台で尾てい骨を痛める妊婦さんがいます。分娩後に尾てい骨が痛み、排尿や排便に支障が出ることもあるのです。
排尿障害など恥ずかしいと思われるかもしれませんが、出産の際に尾てい骨を痛めることは珍しいことではないので、産婦人科医に相談して対応策を聞くといいですね。
骨折中に痛みが激しいとき
尾てい骨を骨折して、完治するまでの数週間から数か月間、尾てい骨が痛み夜眠れないなどの辛い症状があるかもしれません。
座る動作が円滑に行えないことで、日常生活にも支障が出てきます。また、トイレの際に尾てい骨が痛み、排尿がスムーズに行えないことも考えられます。
そこで、尾てい骨骨折した時に自分でできる痛みの緩和法として、「とこちゃんベルト」をお勧めします。とこちゃんベルトとは、通常は妊娠中の女性が骨盤を安定させるために使用する腰用のベルトのことを言います。
骨盤用のベルトをきつく締めることで、骨盤の動きを制限して尾てい骨も動かないように固定するのです。ギブスの役割をベルトが果たしてくれるため、少しは痛みも緩和していきます。
さて、尾てい骨を骨折した方のために、尾てい骨骨折時に頭に入れておくと良い豆知識を中心にお伝えしました。
尾てい骨骨折に「治療法がない!」という事実には驚きますよね。しかし骨折した際のギブス代わりに、上述した骨盤ベルトを用いるなど、自分でできる治療法もあるため、色々と工夫してみると良いでしょう。
また、骨折部位が接合するまでの間は、食事療法を積極的に行うことをお勧めします。骨の結合にいいのは、たんぱく質やカルシウム、そしてビタミンKとビタミンDと言われています。
大豆製品や小魚をいつもより多めに摂るといいです。海藻類もミネラル豊富なのでお勧めです。乳製品のカルシウムは、日本人の体内では分解されないタイプのものなので、乳製品は控えておきましょう。
まとめ
尾てい骨を骨折してしまった時の豆知識
・尾てい骨は骨盤の後ろに出た小さな骨です
・尾てい骨骨折の原因はしりもちです
・尾てい骨を骨折した時は安静にする!
・尾てい骨骨折から痛みを感じなくなるまで2〜3ヶ月かかる
・尾てい骨骨折中はドーナッツクッションを使う
・分娩による尾てい骨損傷も多い
・骨折中に痛みが激しいときは骨盤ベルトを使う!