腕の痛みの原因は?部位でわかる疾患とその対処

腕の痛みの原因は?部位でわかる疾患とその対処
人は皆、体のどの場所が痛くても気になるものです。ある日突然腕に痛みを感じて、なんでだろう?と思う事や、筋肉痛かなと軽くみていたのになかなか治らないと不安が募りますよね。

自分では、腕の痛みというのはわかっても、なかなかどこがどうなって痛いのかよくわからない事も多いはず。そこで今日は、病院に行く前に知っていると便利なこと、疾患とその対処法などをまとめました。

整形外科に行ってレントゲンをたくさんとり料金は高かったのに治療はシップだけということもあります。中には病院に行かなくても腕の痛みを自宅で治せるものもありますので、今からお伝えする内容をご覧い頂き、ぜひご自身の体のケアの参考にしてください。

腕が上がりにくい四十肩、五十肩

腕を上に動かそうとすると肩が上がりにくかったり、腕や手にしびれが伴った痛みがあります。いわゆる老化によるもので四十肩、五十肩と言われるものです。

肩関節の周りで炎症が起こったり、腱板が損傷したりする状態のことで、正式には肩関節周辺炎という病気です。痛みが長期間にわたることもあり、肩を普通に動かせる可動域が非常に狭くなってしまう病気です。

四十肩、五十肩に対する一番の対策は、冷やさないことです。冷えが余計に関節を硬くして痛みが出ます。治療は温めて可動域を少しでも広げるように適度な運動も心がけましょう。

 

肩こり

首の筋力が低下することによって、腕の痛みが発生することもあります。人間の頭部は重いため、支えるだけでも相当な筋力がかかっているのです。デスクワークが多い現代社会では、頭が前のめりになっている姿勢で長時間動かないこともあります。

こうなると、頭を支えるための首の後ろの筋肉に相当の負担がかかってしまいます。すると首や背中の筋肉が硬直し、血行も悪くなり神経を圧迫して腕の痛みを感じます。首には腕に伸びる神経も通っています。首から肩がこり、腕にまでも痛みが出ることもあります。

対処法としては、首や肩を温めたりマッサージをしてほぐしたり、体操をして血行を良くしましょう。

 

上腕骨外側上顆炎

上腕骨外側上顆炎という病気の名前はあまり聞きなれませんよね。通称「テニス肘」と呼ばれるものです。テニスをしている人が腕が痛くなることが多いのでこの名前がついています。

他にも現在ではパソコンを使ったデスクワークで長時間マウスを操作したりすることでも多く見られます。上腕骨外側上顆は肘の外側のことで手首や指を動かしている筋肉を酷使して負担がかかると、炎症を起こしてしまいます。

ほとんどの場合、安静にしていると痛みはありませんが、肘や手首を使う動作では痛みが起こります。何かをつかむだけの動きでも痛くなることもあります。治療は基本的に保存療法が取られます。

原因となる運動や動作はできるだけしないようにしたほうがよいでしょう。手首や指のストレッチをまめにしたり痛み止めや消炎湿布を貼りましょう。

それでも痛みが続く場合や治りが悪い時には手術をする場合もあります。

 

頚椎椎間板ヘルニアで腕が痛い

腕を動かすと痛いという症状で、実は原因が首の骨にあることがあります。頸椎椎間板にもヘルニアは起こるもので、症状としては腕の痛みやしびれ、首の痛みや肩の痛みも出ます。さらに上腕部に痛みを感じることもあります。

腰部の脊椎椎間板ヘルニアと同じ加齢に伴う変化や姿勢の悪さで、負担が生じた拍子に髄核が外にはみ出して脊髄や神経根を圧迫、そして圧迫された神経から痛みが出るのです。対処法としては第一に安静にすることです。

しばらく安静にして痛みが落ち着いたら、適度な運動によるリハビリテーションも必要です。ヘルニア自体は、6ヶ月ぐらいで自然に吸収されますが、神経痛は残ることもあります。

そのときは神経ブロックの注射をしたり、外科的手術によってヘルニアを除去することもあります。ブロック注射は、効きが良ければ1度ですみます。

 

脊髄空洞症による痛み

手のしびれや腕の痛みが起こる病気に、脊髄空洞症があります。あまり聞き慣れない名前ですが、先天的にも後天的にもこの病気になることがあります。脊髄の周りは髄膜で包まれていて、外側から硬膜、クモ膜、軟膜という順になっています。

髄膜の中には髄液が流れているのですがこのながれがスムーズにいかなくなり起きる病気が髄膜空洞症です。このほか、交通事故などにより起こる場合もあります。軽減や進行を防ぐ治療が行われます。

 

胸郭出口症候群

腕を上げたときに肩甲骨周辺にしびれや痛みが生じます。また肩こりや手先の血行不良、細かい作業をしにくいなどの運動障害も起こります。なで肩の人、特に女性に多く見られますが、男性に起こることもあります。

なで肩の方が起こりやすい理由は鎖骨周辺が狭いため鎖骨の下の動脈が圧迫されやすい状態になっているからです。首を支える筋肉である斜角筋や筋肉の小胸筋が腕や肩の神経が集中している神経の束や鎖骨の下の動脈を圧迫するために痛みがでます。

治療としては姿勢の改善が有効です。姿勢を良くするサポーターなどを使うのもよいでしょう。

 

心臓病による痛み

生活習慣による動脈硬化などが知らず知らずに進行して心臓に負担がかかり、心筋梗塞などが起きるような時に、左腕に痛みが出る人もいると言われています。

何気ない腕の痛みと思っていても、思わぬ病気が隠れていることがありますので日頃から健康診断をして自分の体の状態を把握しておくことはとても大切なことです。動脈硬化の場合、血液をサラサラにする薬が処方されます。

 

さて、よくある腕の痛みについてお伝えしました。しかし、他にも腕の痛みの原因はたくさんあります。成長痛、外傷、神経痛、リウマチ、または、皮膚や骨などの感染症からの炎症、糖尿病からくる末梢神経障害などです。病院にかかるとき、どんなふうに腕の痛みを感じるのかをしっかりと自分で把握した上で受診するとある程度原因がつかみやすいものです。

今日のまとめ

腕の痛みの原因は

・腕が上がりにくい四十肩、五十肩
・肩こり
・上腕骨外側上顆炎
・頚椎椎間板ヘルニアで腕が痛い
・脊髄空洞症による痛み
・胸郭出口症候群
・心臓病による痛み

の可能性があります。


連記事
タイトルとURLをコピーしました