「骨が痛い」と感じたときは、即、体の「赤信号」と思ってください。通常のかるい病気で「骨が痛い」ということはほぼありません。骨が痛いと感じさせる病気には重度で深刻なものが多いため、骨が痛いときはすぐに受診することをお勧めします。
しかし怖がりすぎてもいけません。ただの「打ち身」による骨の痛みということも十分に考えられるので、「念のため病院へ」くらいの気持ちで行きましょう。
骨の痛みのほとんどが「骨折」などの外傷によるものですが、骨の痛みの原因が「病気」である場合は厄介です。
どこかへぶつけたときに骨が痛いと感じるのならばいいのですが、原因不明で定期的に骨がずきずきと痛む場合は早めの受診を心がけてください。そこで今日は骨が痛いのは病気のサイン?可能性のある6つの原因についてお伝えします。
外傷による痛み
どこかに腕や足をぶつけて、ぶつけた部位に青痰などができて「骨が痛い」と感じることは多いですよね。骨が痛いときのほとんどの原因は「打ち身」であり、外傷によるものです。
普段から食生活に偏りがあり、カルシウムなどが不足していると、ちょっとした打ち身が「骨折」へと発展してしまうため、気を付けましょう。
ただの打ち身のはずが、いつまでも骨が痛いという時は、骨にひびが入っている可能性もあるため受診した方が良いですね。
女性に多い骨粗しょう症
特に高齢の女性に多いと言われている骨粗しょう症になると、体のあちこちの骨が壊れやすくもろくなってしまいます。
骨粗しょう症の女性は目立った外傷がなくても、日常の負荷の連続で「疲労骨折」になることがあります。毎日負荷がかかっている骨が、徐々に骨折してしまうことです。
疲労骨折をすると、身の覚えのない個所の骨が痛いと感じるため、骨粗しょう症の方は骨折を疑って病院に行くといいですね。
また、骨粗しょう症の自覚がない方でも、骨が痛い症状が長く続く場合は受診して血液検査と痛む箇所のレントゲンくらいは撮って調べてみてください。
日本人に増えているリウマチ
骨が痛いと感じるとき、特に「関節部位が痛い」場合は「リウマチ」である可能性が高いです。リウマチは「関節リウマチ」という病名で、免疫の異常による関節の痛みや変形がでる病気です。
リウマチは四肢の先から徐々に体の内側へと向けて進行する病気なので、最初に痛みやこわばりを感じるのは手足の指が多いです。指に痛みを感じなく、いきなり膝や肘に痛みを感じる場合もあります。
また、初期症状の痛みは朝に感じることが多いです。お心当たりのある方は、早めに医師に相談しましょう。リウマチは早期であれば薬などで治療をすることができます。
白血病の可能性もある
骨が痛いと感じるとき、一番恐ろしい病気は「白血病」です。白血病というと、すぐに死をイメージする方も多いのですが、何事も早期発見と早期治療で予後は大きく変わります。
また、抗がん剤などの治療薬への適合も個人差が大きいため、あまり悲観しないことをお勧めします。
また、白血病で骨が痛いと感じるときは、骨髄の中に白血病細胞があふれて圧迫しているときなので、病気が進行している状態である可能性が高いです。そのため、初期症状としての骨の痛みは稀です。
骨にできる癌
癌は体のどこにできるかで呼ばれ方が違います。骨にできる癌を「肉腫」と言います。「骨肉腫」と言った方が一般的で通じやすいでしょうか。
骨肉腫になる患者の70%以上は20歳以下の若者です。しかし癌全体の骨肉腫の割合は低く、また近年では比較的長期生存率の高いがんとして治療法が確立されています。
骨肉腫の初期症状として「骨が痛い」というものがあります。骨の痛み方は激しくなく、たまにズキッと痛み、「あれ?」と思った時には痛みが消えているというようなものです。
肉腫が進行すると、次第にズキズキと激しく痛むようになり、患部が腫れたり赤くなったりして発覚します。
関節炎で関節が痛む
外傷などで関節内に入った細菌によって関節が痛む場合があります。人によっては関節というよりは骨が痛いと感じる場合もあります。また、最近ではなくアレルギー物質が関節に入ることによって、関節が痛む場合もあります。
いずれにせよ関節の痛みは骨の痛みと感じる場合があるため、肩やひじの骨が痛いときは関節炎の可能性があります。関節炎の場合は患部に抗生物質などを注入することで治療が可能です。
また、関節炎が進行して患部に膿などがたまってしまった場合は手術によって膿を取り除く必要があります。大掛かりな手術にならないためにも、骨や関節が痛いと感じた方は早めに受診して原因を調べましょう。
さて、骨が痛いと感じたときに、考えられる原因をお伝えしました。お心当たりのある症状の病気があれば、早めに医師に相談して調べてもらいましょう。また、「ただの打ち身」と思っていても、いつまでも骨が痛いときも、やはりすぐに受診した方が良いですね。
病気による骨の痛みは稀な症状で、骨が痛いと感じたときはなるべく警戒して様子を見るべきです。また、骨の痛みと間違えやすい関節の痛みの場合は、骨の痛みとは全く違った原因の病気が多いため、痛みの箇所をよく考えてみましょう。
ただの風邪であっても、ウイルスが関節内に入って暴れると、「関節が痛い」と感じます。「骨が痛い」のか、「関節が痛い」のかをよく考えて、受診する科を決めましょう。
まとめ
骨が痛いときに考えられる原因は?
・どこかにぶつけた「打ち身」
・女性に多い「骨粗しょう症」
・若者に増えている「関節リウマチ」
・命に関わる「白血病」
・骨にできる「骨肉腫」
・骨ではなく「関節炎」の痛み