認知症の種類を解説!治るものと治らないものの違いとは? 

認知症の種類を解説!治るものと治らないものの違いとは? 
かつては「痴呆症」と呼ばれた認知症は、高齢化の進んでいる現代日本では深刻な社会問題になるほどの重病です。加齢など様々な要因で、脳の一部が委縮するなどして、認知症は発症します。

認知症と言っても数種類あり、脳のどの部分に異変が起きるかによって、症状や治療法が異なるのです。今回は、そんな認知症の種類について解説するとともに、治療法があるのかどうか、完治する病気なのかを調べてみました。

大切な家族が認知症となり、大切な思い出をどんどん忘れていくという現実は、介護をする家族にとっても辛いものです。そればかりか、認知症が進行すると、精神的な症状にとどまらず、日常生活の行動をも忘れて介護なしでは生活できなくなります。

いつ終わるとも知れない看護に、認知症患者の家族は疲れ果てています。以下の解説が、認知症の種類を知り、対処法を知る助けになれば幸いです。

 

認知症の種類を解説!
治るものと治らないものの違いとは?

 

初期症状で記憶障害(アルツハイマー型認知)

「認知症」というと誰もがまず思い浮かべるのが、「アルツハイマー型認知症」でしょう。アルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドベータというたんぱく質がたまり、脳の神経細胞を委縮させる病気です。加齢や遺伝性の病気であると言われていますが、脳にアミロイドベータが発生する原因は不明です。

初期症状は2~6年ほどで、「食事をしたことを忘れてもう一度食べる。」などの記憶障害を起こします。薬物療法や献身的な介護などで症状を若干遅らせることは可能ですが、完治することの無い認知症として知られています。

 

脳梗塞の後遺症(脳血管型認知症) 

認知症患者全体の2割は、脳血管型認知症という種類の認知症です。脳梗塞などが原因で、脳の機能が低下する認知症です。脳の血管障害は、もともと生活習慣が原因で起こるものなので、この種類の認知症は生活習慣の改善で進行を食い止めることが可能です。

過度のアルコール摂取や喫煙や睡眠不足や運動不足などの、間違った生活習慣を改善するよう注意しましょう。脳内のどこに脳梗塞があるかによって、症状は異なります。

 

前頭葉が縮小(前頭側頭葉変性症)

脳内にピック細胞と呼ばれる異常細胞が発症する種類の認知症を、前頭側頭葉変性症と言います。病名の通り、脳の前頭葉と側頭葉の異変による認知症です。10年ほどかけてゆっくりと進行する病気なので、数年間気が付かないということもあります。

脳内に異常細胞が発症する原因は不明です。治療法も薬もなく、進行を見守るしかありません。社会的に危険な行動が増えたと判断されたら、適切に介護できる施設などに入ることが一般的です。

 

軽度の認知障害(MCI)

認知症ではないのに、認知症のような軽度の症状がみられる種類の病気を、「MCI」と言います。MCIから将来的に認知症に発展する可能性があるため、「認知症ではない」と言っても油断はできません。

MCIには進行を遅らせ、認知症に発展しないためのいくつかの両方があるため、MCIのうちに早期発見し、治療を開始することで認知症を予防することが可能です。

 

幻視を見る病気(レビー小体病) 

アルツハイマー型認知症やパーキンソン病に次いで多いのが、レビー小体病と呼ばれる種類の認知症です。アルツハイマー型認知症とよく似ていますが、決定的に違うのが、病気の初期に幻視をよく見ることです。

幻視は「人が入ってきた。」とか、「目が覚めたら枕元に子どもがいた。」などと、はっきりと見えている様子です。「そんな人いないよ!」と否定してしまうと本人が不安を感じてしまうため、話を合わせてあげましょう。

脳内にレビー小体というたんぱく質が発生することで発病します。はっきりとした治療法はありませんが、早期に発見できれば症状を改善することができます。

 

手足の震えが初期症状(パーキンソン病) 

パーキンソン病は、脳内のドーパミンが減少し、神経伝達に異常が出る種類の認知症です。患者数は非常に多く、日本でも毎年10万人の患者が出ています。完治は難しいですが、症状を遅らせることはできるため、こちらも早期発見を目指しましょう。

パーキンソン病の初期症状として、まずは片側の手が震えます。その後、震えは広がって両側の手が震えるようになります。手の震え症状が出ても「疲れているのかな?」などと放置する人が多いのですが、気になるときは早めに受診することをお勧めします。

 

アルコールの飲みすぎで…!(アルコール認知症)

「酒は百薬の長」などと昔から言われていますが、アルコールは神経毒なので飲みすぎると必ず体を壊します。長年、大量にアルコールを摂取している人は、認知症にご注意ください。認知症の種類で、アルコール認知症というものがあり、アルコールの過度摂取により引き起こされます。

アルコールを摂りすぎると記憶障害や、ひどい場合は失明になることもあります。アルツハイマーなどの認知症を治療することはできませんが、アルコール認知症の場合は断酒をすることで症状がかなり良くなります。

 

さて、認知症の種類と内容を解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。書いていて恐ろしくなるほどに、認知症の完治は難しく、治療法すら存在せずに経過観察する病気もあります。

中には早期発見することで、症状を緩和させ、病気の進行を遅らせられるものもあるため、少しでも不安のある方は、早めの受診をお勧めします。また、認知症に関しては、看護する家族などの負担はものすごく大きいため、家族以外の周囲の支えも必要となってきます。

 

今日のまとめ

認知症の種類は

・初期症状で記憶障害(アルツハイマー型認知)
・脳梗塞の後遺症(脳血管型認知症)
・前頭葉が縮小(前頭側頭葉変性症)
・軽度の認知障害(MCI)
・幻視を見る病気(レビー小体病)
・手足の震えが初期症状(パーキンソン病)
・アルコールの飲みすぎで…!(アルコール認知症)

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