通称ゴルフ肘とは、正式には「上腕内側上顆炎」と言います。自己流のフォームで練習しすぎたり、合わない重さのクラブを使うことで肘を痛めるとゴルフ肘になりやすくなります。安静にしているときはほとんど痛みはありませんが、特定の動きをすると、肘の内側がズキズキ痛んだり、内側上顆部を少し押しただけで、しびれたりします。
指や手首を動かす時、筋肉が収縮して上腕骨内側上顆部が引っ張られます。この動作を長時間行った場合、上腕骨内側上顆部に負担がかかり、炎症が起こるのです。そこで今日は、ゴルフ肘を解消!家やオフィスで出来る7つのセルフケアをお伝えします。
ゴルフ肘を解消!
家やオフィスで出来る7つのセルフケア
オフィスで出来るセルフケア(右ひじの関節)
①右肘をゆっくりと曲げ、手の平を自分に向けます。
②その状態で左手で肘関節を包むように当てがい、尺骨の肘頭を上腕骨に向けて押し付け圧迫ます。
③ 次に左手で尺骨を上腕骨にむけてしっかり圧を加えながら、ゆっくり肘を伸ばします。
④力をかけると痛い場合は無理しないで軽くマッサージして下さい。
この操作を5〜6回繰り返して下さい。
オフィスで出来るセルフケア(右腕全体)
①掌を上にして肘を伸ばします。
②前腕の外側を肘に向かってなぞると、肘の付近に窪みがあります。その窪みを確認したら人差し指で外側から内側へ向かって押し付けます。腕橈関節に緩みが生じている場合は下から上に向かって押し付けます。
③橈骨を尺骨方向に押し付けながら、肘をゆっくり曲げ、手をゆっくり回します。
④曲げ切ったら今度は肘を最後まで伸ばしながら、手をゆっくり回しましょう。
この動作を作業やスポーツ前と後に5〜10回繰り返して下さい。
自宅で出来るセルフケア(基本テーピング)
①痛みがある場所を確認し、テープの長さを調整します。
②手首を返し、肘も真っ直ぐに伸ばした状態でテープを貼ります。その時、手首の内側の基部を固定しましょう。
③肘の内側に向かって貼り、全体をしっかり押さえて下さい。
テープを貼ったまま入浴してもかまいません。また、テープが自然に緩んだり、 はがれてきたら、新しくテープを貼り直してください。ゴルフ肘(上腕骨上顆炎)は習慣化しやすく、慢性のストレスが発症の原因といわれています。肘の痛みが残っている間は、スポーツを控えてください。
自宅で出来るセルフケア(腕全体のテーピング)
痛みがひどい場合は腕全体をテーピングしましょう。
①握りこぶしを作り、腕の筋肉に力を入れた(太くした)状態でアンダーラップを巻きます。
②アンダーラップの下端(腕の先側)と上端(腕の付け根側)にアンカー伸縮テープを2本巻きます。
③痛みを感じるところまで腕を伸ばし、少し戻した状態で、腕の先のアンカーから腕の付け根のアンカーまでサポートテープを貼ります。サポートテープの長さによって関節の動く範囲を調整します。
④腕の中央でクロスするようにサポートテープを貼ります。
⑤サポートテープを固定するために、最初に巻いたアンカーの上にテープを1周巻いて、完成です。
家とオフィスで出来るセルフケア(ストレッチ)痛みが大きい場合
①腕を伸ばし、右前腕の手の甲に反対側の手を添えます。
②手首をゆっくり曲げていきます。手首がもう曲がらないというところで、手の甲に添えた手でゆっくりと圧力をかけていきます。手首の捻挫の原因なりますから、急激に力を入れないでください。前腕にストレッチがかかっているのが感じられれば、その姿勢をキープします。
③反対も同様に行って終了です。手首の関節が固い方は絶対に無理のないようにしてくださいね。
家とオフィスで出来るセルフケア(ストレッチ)痛みが小さい場合
①まず握りこぶしを握って、拳を肘を伸ばすようにして突き出します。この時、親指も握り込みます。
②肘を自分の方に猫招きの手の様な感じに曲げます。
③肘がもう曲がらないというところまで曲げたら、反対の手で拳を包むようにして軽く握ります。
④3の状態から、拳を包んでいる方の手でゆっくりとさらに深く肘を曲げるよう力を加えていきます。何度も書きますが、絶対に力任せに急激に行わないようにしてください。力を加えていき、前腕が強く伸ばされるのを感じられればその姿勢でキープします。
⑤反対も同様に行い終了です。
家とオフィスで出来るセルフケア(ストレッチ)痛みがなくなったか確認する場合
①手のひらを内側に向けて両腕を前に突き出し交差させ、そのまま手を組みます。 組んだままの手を下に回して、胸の前を通して顎のところまでグルッと回します。 その状態からゆっくりと元に戻し、肘を伸ばして30秒止めます。
②肘に力入れて腕を伸ばし、手首を下に曲げて5秒止める。 その状態から、手首を上に反らして5秒止める。
③肘に力入れて腕を伸ばし、手首を外側に回してねじり、手首を反らして5秒止める。 その状態から、手首を内側に回してねじり、手首を曲げて5秒止める。
いかがですか。ゴルフ肘は習慣になりやすいので、日頃からよくストレッチしておく事が大切です。治るまでは激しく動かしてはいけません。どうしても早く治したい場合、ステロイドの局所注射をする場合もありますが、それらの治療が効かない場合や症状が改善されない場合は稀に外科手術も行われます。
肘関節付近のツボや痛みの強い場所に針やお灸をし、血行を良くする方法もあります。身体全体の血行が良くなると、ゴルフ肘の治りも早くなりますから、全身マッサージもお勧めです。自分にあった方法を試し、無理のないやりかたで改善していきましょう。ゴルフは健康にとても良いスポーツですが、何事もやり過ぎは禁物です。