離婚の話し合いをする前に、知っておきたい5つの知識


離婚の話し合いは、あまり気が進まない、できればささっと済ませて早くすっきりしたいというのが本音ですよね。昔は好きだったけど今では嫌いな相手や自分を裏切った夫と顔を合わせて話し合っても、不快な気持ちになるだけです。

しかし、離婚によって受けた傷を癒したり離婚後の生活のためには離婚の話し合いはとても大切!「気が進まない」と目を背けたり、話し合いに応じずに離婚してしまえば、結局損をするのは自分です。

離婚後に「やっぱり離婚しなければよかった」と後悔したり、「慰謝料をとれたのに」「養育費が少なかった」と悔しい思いをすることもあります。

また、離婚の話し合いに応じても、何の準備も知識も持たずに話し合いの場に座るだけでは、武器を持たずに戦場に出るのと同じこと、やっぱりあなたは損をします。離婚後に後悔しないために、今回は離婚の話し合いをする前に知っておきたい5つの知識をお伝えします。

 

離婚の話し合いをする前に、
知っておきたい5つの知識

 

夫婦の財産を把握すること

離婚の際は、夫婦で夫婦の財産を分けます。財産分与で損をしないためには、まずは夫婦にどんな財産があるのかを知っておくことが大切!離婚の話し合いの前に、夫婦の財産を調べておきましょう。

このとき、夫や妻名義の通帳や不動産でも、結婚後に夫婦が築いた財産であれば財産分与の対象になります。夫や妻が隠し持っている通帳や口座、株などの債権がないかを調べてみてください。

結婚前から持っていた財産や親から相続した財産は財産分与の対象にならないので、この点も注意しましょう。親から相続した財産が別れる夫にとられることのないようにしてください。

 

養育費の滞納を防ぐこと

子供の親権を持ち、夫や妻から養育費を受け取る予定の方、離婚前の養育費の取り決めを相手が守ってくれるというのは甘い考えです。

平成23年の総母子家庭世帯のうち元夫から養育費を受けとったことがある世帯は35.5%、現在も養育費を受けとっている世帯は19.7%です。

離婚前の養育費の取り決めは破られるものという前提で、離婚の話し合いをする段階から養育費の滞納を防ぐための手を講じておきましょう。

たとえば、離婚の際に養育費を一括で受けとるというのも一つの手です。ただ、このときには養育費に課税されることがあるので、注意してくださいね。

また、子供の面会と養育費の支払いをセットにする、協議離婚では公証証書契約にすることも養育費の滞納を防ぐ有効な手です。

 

不倫で離婚するときは慰謝料も忘れずにもらっておくこと

離婚の話し合いではお金の話が多いですが、財産分与や養育費、年金分割の他に忘れてはいけないお金があります。それが「慰謝料」、相手の不倫や暴力などで離婚をするときには慰謝料を請求することができます。

不倫や浮気の場合は、不倫相手や浮気相手にも慰謝料を請求することができます。反対に、あなたが慰謝料を請求される側の場合は、夫や妻が浮気していないかを調べてみるのもよいかもしれません。

 

協議離婚では離婚協議書を公証証書契約にすること

夫婦で離婚の話し合いをする協議離婚のときには、離婚協議書を公証役場に持っていき、公証証書契約にするのがおすすめです。公証証書契約にすることで、離婚協議書に法的な効力がそなわります。

たとえば、離婚協議書で取り決めた養育費の支払いが滞ったとき、公証証書契約にしておけば、相手の財産さしおさえの強制執行の手続きをスムーズにとるができます。

公証証書契約でないただの離婚協議書には、法的な効力がないので、相手から養育費をもぎとるためには、まずは裁判所で離婚協議書の法的な効力を認めてもらう必要があります。

養育費はほしいけど裁判となると……ちょっと億劫になりますよね。相手の財産さしおさえまでに時間がかかり、結局養育費を取り損なうということが多いです。

 

離婚後に離婚を後悔する人が多いという事実を知っておくこと

「もう金輪際お前の顔なんか見たくない」「別れてせいせいした」と言って離婚した方でも、離婚後しばらく経つと離婚を後悔することが多いです。

男性は孤独感や子供に会えない寂しさから、女性の場合は経済的な困窮やシングルマザーの育児の困難さから離婚を後悔します。

また、夫婦喧嘩やちょっとした誤解、行き違い、一時的な感情の爆発で離婚に至った場合、「なんであんな些細なことで……」「大したことじゃなかったのに」と離婚を後悔します。

後悔したときやり直すことができればよいですが、人生、いつでもやり直しができるものではありませんし、時すでに遅しということもあります。

離婚の話し合いをするときには、まずは離婚したい理由をもう一度確認してください。自分自身、それに夫婦間で「この理由で離婚してもいいのか」と話し合うのです。後になって後悔しない離婚だと確信できてから、財産分与や養育費などの話し合いを始めてくださいね。

 

いかがでしたか。以上が、離婚の話し合いをする前に、知っておきたい5つの知識でした。離婚の話し合いは主にお金の話になります。夫婦のお金を夫婦で分け合うのですから、相手に対する不信感が大きくなったり、損をしたくないという気持ちが前に出過ぎることもあるでしょう。

離婚の話し合いがうまくいかないこともありますが、お互いに納得するまで話し合うことが大切です。必要であれば弁護士をまじえて話し合うのもおすすめです。お互いに納得する結論が出たら、離婚協議書を作成、公証役場に持って行き公証証書契約にしましょう。

公証証書契約にすることで、離婚後のトラブルを未然に防ぐことができます。また、離婚を後悔しないためには、「この理由で離婚してもいいのか」と夫婦で確認することも大切です。お金の話し合いの前に、離婚の理由や離婚を回避する方法はないのかを夫婦でよく話し合いましょう。

まとめ

離婚の話し合いをする前に知っておきたいこととは

・ 夫婦の財産を把握すること
・ 養育費の滞納を防ぐこと
・ 不倫で離婚するときは慰謝料も忘れずにもらっておくこと
・ 協議離婚では離婚協議書を公証証書契約にすること
・ 離婚後に離婚を後悔する人が多いという事実を知っておくこと


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