借金の時効は存在する?知らぬと損するお金の7つの基礎知識

借金の時効は存在する?知らぬと損するお金の7つの基礎知識
借金には時効があると知っていますか? 時効というと、なにか罪を犯した時に何年も逃げ切れば罪が消えてなくなるものだと思っている方もいるかもしれません。しかし、あまり知られていませんが、犯罪だけでなく借金にも時効があるのです。

簡単にいえば、一定年数経った借金は払わなければいけない義務がなくなります。「そんな馬鹿な」と思うかもしれませんが、事実です。しかし、借金の時効は消えてなくなることがあります。具体的には『借金の一部を返済』すると時効は消えてしまいます。時と場合によっては借金を返さないほうが有利なことがあるのです。そこで今日は借金の時効は存在する?知らぬと損するお金の7つの基礎知識についてお伝えします。

 


借金の時効は存在する?
知らぬと損するお金の7つの基礎知識

 

借金には時効が存在する

借金には時効が存在します。具体的には貸主が一定期間権利を行使しないと権利が消滅します。これを『消滅時効』と呼びます。つまり、一定の間貸主が「お金を返してください」と言わないと借金は消えてなくなるのです。
また、法律的にグレーな部分ではありますが、この『権利の行使』は単に電話で「金返せやこらぁ!!」といった電話をしただけでは認められません。裁判所の手続きを経るなど証拠が残る形でなければならないのです。よって『電話では何回か催促されたけど、正式な形では請求されていない』といった場合でも時効が成立する可能性があります。
借金の時効が成立すれば、借主はその借金を取り立てる権利がなくなります。言いかえれば借金そのものが無くなり、返済する必要もなくなるのです。しかし、これにはいくつか条件がありますのでこれから先をきちんと読んでください。

 

借金の時効が成立するまでの期間は5~10年

借金の時効が成立する期間は5~10年です。借主、貸主のいずれかが商法上の商人の場合5年。どちらも商人ではない場合は10年となります。具体的な事例を見てみましょう。
サラ金・貸金業者から借りた場合。これは貸金業者が個人であるか商人であるかによって異なります。もちろん、借主が商人であればどちらにしても5年となります。
信用金庫から借りた場合。これは注意が必要です。信用金庫は商人ではありません。よって借主が個人であれば時効は10年になります。
銀行から借りた場合。銀行は会社ですから5年で時効が成立します。
特に自分が商人として借りたのでない場合、借りた先によって時効成立までの期間が異なるということはよく覚えていてください。

 

時効を成立させるためには消滅時効の『援用』をせよ

時効が成立したら即借金が消えてなくなるわけではありません。借金の消滅時効を成立させるためには『援用』しなければならないのです。具体的には時効援用証明書とよばれるものを配達証明付きの内容証明で郵送します。郵送の仕方を間違えると、証明できませんので注意してください。普通郵便ではダメです。
時効援用証明書の詳しい書き方は解説サイトなどもありますが、やはり個々の事例によって異なってきます。確実に書くべきですから、できれば司法書士か弁護士の手助けを頂いたほうがいいでしょう。多少お金がかかっても、借金を消滅させるほうが重要です。

 

借金の時効は消滅する場合がある

さて、ここからが本題です。借金の時効は消滅することがあります。これには大きく二つのパターンがあります。一つは具体的には裁判上の請求、勧告、差し押さえなど貸主側が権利の行使を行った場合です。もう一つは借主側が借金を認めた場合です。
時効が消滅すれば、当然借金を請求する権利が残ります。つまり借金は消えてなくならず、返済義務が残ることになります。借主側にはどうにもできないケースもありますが、借主側で防げるケースも多々ありますので例を見てみましょう。

 

裁判上の請求、催告、差し押さえで時効は中断する

裁判上の請求は裁判所で『借金を返せ』と請求することです。これが行われ、認められれば借主にも借金のことがわかったでしょ?ということになり、時効が無効(厳密には中断)されます。勧告は裁判上の手続きによらない請求です。ただし、これは証拠が残っていなければなりません。具体的には電話で「金返せやこらぁ!」などと脅されても(たとえ録音されていても)証拠にはなりませんので時効は消滅しません。一般的には勧告は内容証明郵便を使って行われます。その後訴訟または支払い催促手続きを行われると時効は消滅します。差し押さえでよくある事例は住宅ローンです。不動産会社に自宅を差し押さえられた場合住宅ローンの時効は消滅します。

 

借金を返すと、借金の時効が消滅する!

もう一つの時効消滅の理由は、借主側が返済義務を認めた場合です。債務承認には様々なケースがありえますが、一番多いのが『借金の返済』です。借金を返済するということはその借金を認めたことになるわけです。借金を返すと借金の時効が消滅するとはそういうことです。もう一度言います。借金をしたのだから返すのが当たり前・・・そう思って1円でも借金を返してしまうと、時効が消滅してしまうのです。借金を返すと損をするという代表例でしょう。サラ金業者などはそれを知っていて、時効が近づくと「1000円でもいいから返却しろよ」と迫ってきたりもします。このような手に引っかからないよう注意しましょう。

 

時効が成立していなかったら任意整理か自己破産を検討しよう

不幸にして時効が成立していなかった場合、当然借金は残ります。その場合は任意整理や自己破産を検討しましょう。任意整理は司法書士や弁護士を通じて借金を返済可能な条件に変更してもらうことをいいます。貸主も全く帰ってこないよりは現実的な提示をされたほうが嬉しいので、これは極めて前向きな方法といえるでしょう。特に高利貸しなどが相手の場合は有効です。そうでなくても、利息を分割払いにするなど様々な方法があります。
最終手段は自己破産です。しかし、これはリスクもあります。ある程度の財産は手放さなくてはなりません。具体的にはブランド品や宝石、貴金属などです。裁判所の判断にもよりますが、テレビやパソコンなどもその対象になることもあります。
また、自己破産をすると官報に名前が載ります。そうなると一定期間警備員などの職にはつけなくなります。また、10年以上は『ブラックリスト化』されて借金やローンなどはできなくなると思いましょう。

 

いかがでしたか?借金には時効があり、それを過ぎると支払い義務がなくなるというのは驚きだったかもしれませんね。同時にその時効が消滅することもあるというのが今回のポイントです。特に借金の一部返済が時効消滅の理由になるというのは、注意するべきでしょう。

 

今日のまとめ


借金の時効は存在する?知らぬと損するお金の7つの基礎知識

・借金には時効が存在する
・借金の時効が成立するまでの期間は5~10年
・時効を成立させるためには消滅時効の『援用』をせよ
・借金の時効は消滅する場合がある。
・裁判上の請求、催告、差し押さえで時効は中断する
・借金を返すと、借金の時効が消滅する!
・時効が成立していなかったら任意整理か自己破産を検討しよう


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