冠婚葬祭につきものの「お車代」も具体的な書き方について聞かれると、「あれ、どうだったかな」なんて悩んでしまいますよね。ちなみにお車代とは「ホスト側が遠方から来てくれるゲストに対してお渡しする交通費・気持ち」のことです。
交通費+宿泊費が2万円を超えるゲストに対してお渡しするのが一般的とされています。友人・社会におけるつながり(会社関係等)・親族など、冠婚葬祭に来ていただく方とはそれなりの付き合いがあるもの。
ある程度の関係であるからこそ、マナーがきちんとしていなければ眉をひそめられる可能性無きにしも非ずなのです。そこで今回は、恥をかかないためにもお車代の書き方についておさえておきたいポイントについてお伝えします。
お車代は、袋選びからが重要です
お車代への書き方も大事ですが、その前に、金額や入れる袋の種類がわかっていなければ話になりませんよね。
【水引とのしが「ついている」袋】
いろんな種類があって迷ってしまいそうですよね。お車代が数万円以上の際はこちらを使用しましょう。
【水引とのしが「印刷されている」袋】
「略式」といわれるのがこちらです。一万円前後の金額の際に使用します。
【小さめの封筒、白い封筒】
「ポチ袋」ですね。「ほんのお気持ちですが」という意味を込めて贈るものです。金額が5000円前後なら、こちらを使用しましょう。
【選ぶ際の注意事項】
・冠婚葬祭の用途に合わせた水引を選びましょう
・お札の向きはそろえましょう
・新札・旧札を使い分けましょう
・慶事の祝儀は奇数が基本です
お車代の書き方の前にこれだけのマナーが立ちはだかっているとちょっと萎えそうですが……ここは大人のルールと割り切りましょう。今はいろんなデザインのものが販売されていますが、自分の好みよりも相手にとって失礼に当たらないかを先に考えるのが大前提です。
表書きの書き方について
金額に相当する袋を選んだら、いよいよお車代の書き方・本題に入っていきましょう。まずは「表書き」です。
【御車料】
一般的にはこちらです。「御車代」よりも丁寧な印象を与えるので、会社の上司や目上の方に使うとよいでしょう。
【御車代】
「御車料」より若干フランクな印象を与えるのがこちらです。同僚や友人といった、対等な立場の人にお渡しする際に使うとよいでしょう。
お車代の書き方は、実際には「料」でも「代」でも間違いではありません。ただし、自分たちから見た相手の立場に応じて使い分けられるとより安心です。ちなみに「御礼」はお車代とは別物ですから注意してください。こちらは感謝の気持ちや、文字通りお礼をお渡ししたい相手にご用意するものです。
例えば・主賓の祝辞をお願いした方・受付、乾杯のあいさつ、スピーチ、余興をしてくださった方・カメラマンを引き受けてくれた方・その他、準備などに関わってくださった方などへの心づけとなりますから。意味を間違わないように気を付けましょう。
表書きの記名について
お車代の上部の書き方の次は下部ですね。こちらには送り主である自分の名前を書きます。
【新郎・ホスト側のゲスト場合】
お車代をお渡しする相手が新郎、もしくは慶事・弔事を執り行う当人の関係者ならばそのまま当人の名字のみを記入しましょう。
【新婦側のゲストの場合】
お車代をお渡しする相手が新婦側のゲストならば、入籍前なら旧姓・入籍後なら新姓で名字の身を記入しましょう。
【籍を入れていない場合】
お車代の名前の部分を夫婦連名にする書き方もあります。一般的には夫婦の共通の上司や知人・友人の場合には連名で記入します。
慶事のお車代の書き方として、入籍前なら新郎の名字を右側、新婦の名字は左側に記入しましょう。当然ながら、入籍後は同じ名字になるので連名にする必要もありません。ボールペン不可、必ず毛筆か筆ペンで書くのがマナーです。
相手の名前は記入しません
お車代の書き方でもっとも間違えやすいポイントが「相手の名前を書かない」というものです。もちろん中の封筒にも相手の名前は書きません。
渡し間違いを防ぐためにも、自身で直々に渡さない(受付などにお願いする)場合は必ず、「どの袋が誰に宛てたものなのか付箋に渡す相手の名前を記入しておく」「事前の打ち合わせをきちんとしておく」といった対策を講じておきましょう。
ちなみにお車代の書き方として気をつけたいのが「中の封筒に金額も書かない」という点です。裏面にちょっとした囲みがあるものもあるので、つい書きたくなりますが、これは、ご祝儀袋のようにもらった側がお返しをしなくてはいけない場合に限って、渡した側が名前や住所を書くためのもの。お車代にお返しは必要ないので、中の封筒には何も書かない、というのが鉄則です。
さて、ご祝儀までは渡すのももらうのも機会があるとしても、お車代などに関してはなかなかそうもいかないかもしれません。しかし社会人のマナーとしては常識の範疇となりますし、大人の人間関係を円滑にするためにもきちんとおさえておきたいポイントです。
お車代の書き方ひとつとっても、相手はあなたの一般常識があるか否かを推し量っています。たかがお車代の書き方程度、と思っていると陰で「実は常識を知らない人」というレッテルを貼られかねませんから気をつけてくださいね。
もちろん地域やあなたの家族・親族関係によって若干の違いは出てきます。基本を知ったうえで、その家や地域柄に従うようにしてください。
まとめ
お車代の書き方でおさえておきたいポイントとは
・ お車代は、袋選びからが重要です
・ 表書きの書き方について
・ 表書きの記名について
・ 相手の名前は記入しません