私たちの住む世界には、たったの一噛みされただけで私たちの命を奪うような危険生物がたくさんいます。「危険生物」というと、南米のジャングルの中やアフリカのサバンナ、インドネシアの密林の中などに生息しているものと考えがちですね。
しかし「危険生物」の多くは、実は私たちの日常生活のすぐそばに潜んでいるのです。毎年日本でも多くの一般人が、危険生物の毒によって病院に運ばれているのです。危険生物の被害にあう子どもの割合も少なくないと言えます。
子どもは好奇心が旺盛で、危険な場所にも安易な気持ちで足を踏み入れて冒険をするからです。大人なら寄り付かないようなやぶや茂みにも、子どもにとってはかっこうの遊び場だからです。
身近に潜む危険生物から身を守るべく、危険生物が生息しやすい場所をピックアップしてみたので参考にしてみてください。
危険生物が潜んでいる場所は?
猛毒のある生物とその実態
山の中には危険がいっぱい
連休に山登りを楽しむ人も多いでしょう。山には自然がたくさんあり、日常の喧騒の中の疲れをいやしてくれる効果があるからです。
また、高い山を登ることで、日常では味わえない達成感を味わって気持ちを高揚させるという人も少なくありません。山は私たちに「非日常の高揚」と「自然回帰」を思い出させてくれる大切な場所です。
しかし自然が濃ければ濃いほど、日常では考えられない危険も背中合わせと言えます。
山の中にはアブやブヨ、蜂などの虫が多数生息しています。刺されないためにあらかじめ防虫スプレーをしていきましょう。また、マムシなどの毒蛇の被害も毎年報告されています。
川辺に潜む怖い生き物
川辺にも危険生物はたくさん生息しています。山の中同様に、ブヨやアブなどの小さい虫は、水辺を好んで生息しています。
側だからと安心せずに、出来るだけ手足を覆った服装を心がけましょう。また、防虫スプレーも川の水で流れてしまうため、まめに付け直してくださいね。
また、山や川辺に良く咲いているキョウチクトウやウルシなどの植物にも注意しましょう。川辺でバーベキューをしていて、キョウチクトウの枝を串代わりに使用して死亡する事件が過去にありました。
川辺などの自然に近い場所に行く場合は、口にするものを厳選しましょう。ウルシは触ることで猛烈なかゆみを引き起こし、ひどい場合は体中が赤くかぶれます。
近所の何気ない藪の中
近所にやぶなどがある場合は、子どもにうかつに近寄らないように注意しておきましょう。やぶの中にはマムシなどの毒蛇も生息しています。また、アブやブヨも多くいるため、注意が必要です。
そのほかにもヒキガエルと呼ばれる毒をもつカエルなども潜んでいることがあります。ヒキガエルを素手で触ると皮膚に炎症がおきます。その手で目をこするなど粘膜にエキスがついてしまうと大変です。
やぶなどに近寄らないことと同時に、家に帰ったら必ず手をよく洗うように伝えることも必要です。また、暑い夏であっても、危険な場所に足を踏み入れるときは素肌を露出しないように工夫することも大切です。
子どもが大好きな草むら
草むらには危険生物が多数潜んでいます。春になると大きなスズメバチが、花の蜜を求めて草むらに出没します。スズメバチに刺されてアナフィラキーショックを引き起こして死亡する例もあります。スズメバチが出る時期には、虫よけスプレーを念入りに子どもにつけてあげるといいですね。
また、草むらにはマムシがいることもあるため、油断してはいけません。
春になるとチャドクガという蛾の幼虫が大量に発生する地域があります。見た目はいわゆる毛虫で、触ると皮膚がぶつぶつに腫れあがり、かきむしるとかいた手にも毛の粉が移って症状が広がります。治るのに時間がかかり、見た目もむごいため、毛虫の多い時期に草むらに入るのはやめましょう。
ベランダに置きっぱなしのサンダル
マダニによる感染症の被害は、毎年報告されています。マダニは家の中にすら生息するため、危険な場所に立ち入らなくとも被害にあう可能性はあります。
押し入れの中などのじめじめした場所にもしっかりと風を通して、清潔を保つように心がけましょう。また、畳などは季節ごとに天日干しをするなどしてマダニが生息しにくい環境を作りましょう。ペットを飼っている方は、ペットが知らぬ間にマダニにやられている可能性もあります。
また、ベランダに長く置きっぱなしのサンダルの中にいた「セアカゴケグモ」という危険生物に刺されて重傷を負ったという人もいます。
セアカゴケグモはオーストラリアから上陸してきた小さな危険生物です。名の通り背中の赤い体の黒いクモで、刺されれると患部が腫れあがり、強い痛みを伴います。家のベランダや、公園のベンチの下などにも生息しているため、注意が必要です。
さて、私たちの日常生活に密接な距離で、こんなにたくさんの危険生物が潜んでいると理解していただけたでしょうか。
法整備が整って、犯罪の少ない法治国家である日本といえども、虫や蛇などの危険生物の対策は全くできていないと言えるのです。毎日子どもが学校に向かう途中に、小さな雑木林がある場合。また、大人でも気軽に足を踏み入れる、見通しの良い草むらがある場合は注意が必要です。
平和に見えた風景も、小さな虫の一刺しで、危険極まりない環境であることを再認識できます。身近には、命を落としかねない危険生物がたくさんいることを認識し、危険を回避すべく行動しましょう。
家の中やベランダや公園だって、人間の作り出した建造物だからと言って盲信せずに、危険が常に潜んでいることを心して、家族や自身の身を守ってくださいね。
まとめ
危険生物が潜んでいる場所は?猛毒のある生物とその実態
・山の中には危険がいっぱい
・川辺に潜む怖い生き物
・近所の何気ない藪の中
・子どもが大好きな草むら
・ベランダに置きっぱなしのサンダル