離婚をした場合、離婚の理由によっては相手から慰謝料をもらうことがあります。離婚の原因が、「浮気」や「暴力」や「金銭トラブル」であった場合は、離婚原因を作った側が、相手に慰謝料を支払うのです。
慰謝料の額は弁護士や家庭裁判所などで第3者を交えて相談し、決定するケースが多いです。慰謝料の支払いが円滑に進むために、慰謝料の額を決定した時に、支払いを保証する契約書を作成することになります。
「離婚」というと、それまでの経緯も含めて精神的にものすごくストレスを負うことになりますが、更に追い打ちをかけるように、慰謝料に関する取り決めや裁判などをしなければなりません。離婚そのものにかかる時間や精神的な負担は多大ですが、自由を手に入れるためにもひと踏ん張りしましょう。
今回は、国際離婚の場合での慰謝料の取り決めに関して検証していくので、国際結婚や国際離婚を考えている方はご一読ください。
離婚の慰謝料はもらえるの?
国際結婚のケースで検証
国際離婚の慰謝料
そもそも「国際結婚で離婚する場合、日本での普通の離婚のように慰謝料というものは存在するのか?」という疑問がありますよね。答えは「YES」です。国際離婚の場合にも、慰謝料という形のものは存在します。
しかし、それはあくまでも「結婚期間中、夫婦ともに日本に居住していた場合」に限られます。外国に住んでいたら、その国での離婚の取り決めを遂行することになるのです。日本に住んでいた場合のみ、日本人同士の離婚と同じような離婚の際の手続きを踏むことになるのです。
様々な慰謝料の形
「慰謝料」とは、婚姻期間中の暴力や浮気などでの肉体的、精神的なダメージに対する慰謝を、「損害賠償」という形で相手に対して請求するものを指します。「慰謝料」という言葉はそれだけで、婚姻期間中の苦痛を想像させますよね。
そこで、「慰謝料」という言葉をさけて、「和解金」や「お見舞金」という名目で、離婚相手に譲渡するケースもあるようです。離婚の際の慰謝料の形にも、色々あるのです。
財産分与に慰謝料を含めるケース
離婚の際、国際結婚でも国内結婚でも、「財産分与」をしなくてはなりません。それまで夫婦共有していた財産を、双方で話し合い、分割するのです。単純なお金だけの分割ではなく、家や車や家電など、細部にわたって話し合いを要するケースもあります。
この話し合いだけでも一苦労ですが、離婚という道を進んだのであれば忍耐して乗り越えましょう。財産分与の金額の中に、慰謝料分を含める場合があります。やはり「慰謝料」という形を避けたいという場合は、相手に別の方法で苦痛を強いた損害賠償を支払うのです。
慰謝料を請求できる期間
離婚してから慰謝料を請求できる期間というものが存在します。支払うまで永遠に請求できるわけではありません。正式に離婚してから、3年の間は慰謝料を請求できます。3年を過ぎると慰謝料の請求ができなくなるのです。
離婚相手が国に帰るケース
国際離婚の場合、離婚相手がさっさと国に帰ってしまうケースがありますよね。その場合、国も言葉も違う場所へと赴いて、慰謝料を請求しなくてはなりません。また、国に帰ってからも所在が不明になる場合もあり、国際結婚での慰謝料の請求は難しいと一般的に言われています。
国際離婚をする場合は、慰謝料などの取り決めをする際に、「支払いをするまでは日本を出ない。」などの一文を入れた契約を交わすことをお勧めします。国際離婚に詳しい弁護士などに、あらかじめ相談すると最善策を薦めてくれるでしょう。
国境を越えて慰謝料を請求
さて、国際離婚で慰謝料が未払いのままに、相手が日本を出て自分の国に帰ってしまったときはどうすればいいでしょうか。
離婚の際の調停証書を翻訳した書類を改めて作成し、翻訳証明書を添えてから、相手の国の弁護士に取り立てを依頼するなどの手順を踏まなくてはなりません。翻訳だけでも自分で行えない場合が多く、相手の国の言葉を話せる人物を探す必要があります。労力や手数料が多くかかるのです。
しかし相手の国の住所や居住地が不定であるなどの問題が発生したらお手上げです。国際離婚の場合、離婚相手が慰謝料未払いで国に帰った場合の取り立ては、実質不可能と言ってもいいくらい難しいのが現状です。
結婚期間の居住地が外国であった場合
上述した国際離婚に関する取り決めなどは、すべて「婚姻期間中日本に住んでいた場合」の話しになります。居住地が外国であった場合は、その国の離婚の法律に照らし合わせて慰謝料などが決定します。
さて、国際結婚を例にとって、離婚の際の慰謝料について検証してみましたがいかがでしたでしょうか。離婚そのものも、ものすごくパワーと時間がかかるものですが、国際離婚ともなるとかかる手間も更に増えるのです。
愛し合って結婚する場合であっても、人生何が起こるかはわかりません。国際結婚を考えている人は、「万が一離婚した時どうなるか?」をあらかじめ調べておくことは、決して無駄にはならないでしょう。
日本は島国で閉鎖社会なため、日本の外に出た場合の行動力が激減する民族と言わざるを得ません。しかし国際結婚をして日本に住むほどのバイタリティのある外国人を相手にするのだから、いかなる事態にも対応しうる知識を頭に入れておく下準備が必要です。
まとめ
国際離婚の慰謝料に関する検証
・国際離婚の慰謝料はもらえる
・「慰謝料」ではなく「和解料」ということもある
・財産分与に慰謝料を含めるケースもある
・慰謝料を請求できる期間は3年間
・離婚相手が国に帰ると慰謝料の請求が困難になる
・国境を越えて慰謝料を請求することは難しい
・慰謝料は夫婦の居住地の国の法律に則る