定年延長したことによる企業側のメリット・デメリット

定年延長したことによる企業側のメリット・デメリット
現在、私たちの年金支給開始年齢は厚生年金なら60歳、国民年金なら65歳です。さらに今後も政府は年金を受給する年齢を引き上げることが予想され、さらに支給額を減額する可能性があります。

老後、優雅に年金で隠居生活していた時代などもう遠い昔のことですよね。政府は年金を支給しない代わりに、年金がもらえる年まではみんな働けるようしようと2025年までに「65歳定年制」を決定しました。

表向きは雇用される側のために作られた制度ですが、国民にとっては、老体にムチを打ち働けど働けどわが暮らし楽にならずの未来が待ち構えているのです。そして、企業側にとってはこの65歳定年制制度にどんなメリット、デメリットがあるのでしょう。

では今日は、定年延長によって生じる企業のメリット、デメリットについてお伝えします。

 

定年延長したことによる
企業側のメリット・デメリット

 

優秀な人材を長く確保できる

定年延長によって、優秀な人材をそれだけ長く雇用できます。優秀な人材を延長して雇用できるのは、企業にとってとてもメリットなこと。働く側も長年培った経験と優秀なキャリアを、今までよりも長く社会で貢献できることは働く意欲にもつながります。

また、優秀な人材を長く確保することで、これからの若い人材に、その経験とキャリアを伝授してくれるメリットもあります。

 

指導者として若者を育ててくれる

定年延長は、優秀な能力を企業にきちんと残してもらえるメリットがあります。定年延長で確保した者を指導者として使うことで、プロフェッショナルな能力が確実に受け継がれるでしょう。

指導者が多いほど、その能力は伝授されやすく企業側にとっても戦力として使える人材が確実に増え利益につながります。

 

将来の不安がなくなり労働意欲がわく

定年延長されたことで、働く側は将来の不安がなくなり労働意欲がわきます。労働意欲がわけば生産率が上がることで、企業にとっては利益率も上がると予測されるメリットがあります。

これをきっかけに、労働者の労働意欲をより活発にさせるような提案をすれば戦力として企業に貢献してくれる可能性があります。

 

高齢者に生きがいを与えられる

日本の人口減少は、これからますます高齢社会を加速するでしょう。しかし、高齢者は仕事があることで生きがいが与えられます。企業側にも、長年の経験やキャリアなど知的財産を提供してもらえるメリットがあります。

いつまでも必要とされることは、人々にとって生きる力となります。労働出来る環境は、人々にいつまでも元気に働ける幸せを与えることができます。

 

社員の高齢化が進む

高齢社会がすすむ時代に定年延長は、社員の高齢化もすすめます。定年延長により若者の雇用が減り、世代交代の流れも変わるでしょう。

結果、企業内での雇用バランスが崩れやすく将来的に引継ぎがうまくいかなくなるデメリットがあります。

 

人件費が増大し圧迫される

定年延長を希望する人が多ければ、その分賃金や退職金など人件費が増大します。そのため勤務形態を見直したり、勤務時間なども調整し根本から職場の労働環境を見直すことになります。

また、能力の割に給料が高いなど、コストパフォーマンスが見合っていない人を定年延長する場合、若い人材が働く意欲を失くすというデメリットがあります。

 

雇用する人材を選べない

定年延長による延長雇用は、原則希望者全員に対して行わなければなりません。もう戦力にならない社員を延長雇用するのは、企業側にとってとてもデメリットなことです。

また、労働条件を変えられないことから、戦力外の人と、戦力として働ける人とのコストパフォーマンスの点で不満が起こる可能性もあります。

 

健康と安全の管理不安

定年延長により、社員の平均年齢が高くなり、それに伴い健康と安全に関しての管理を徹底しなければいけないと考えられます。たとえば、仕事の負担を軽くしたりバリアフリーに変えて転倒事故を減らすなど。

その他に、さまざまな方法で健康に対して注意喚起しながら常に社員の健康について把握しておくことも必要です。企業側にとっては、設備投資や気に掛けることが増えるデメリットがあります。

 

以上、定年延長によって生じる企業側のメリット、デメリットでした。定年延長では、雇用される側が希望すれば、希望する全員の雇用を企業は続けなくてはなりません。それは日本の景気にも左右されることです。景気の低迷が続いていけば人件費の圧迫が懸念され、中小企業には死活問題となることも。

定年延長は、働く側には年金が支給されるまで雇用されるためとてもありがたいことですが、企業にとっては非常に厳しい現実問題が降りかかってくることも考えられます。しかし、景気が上向きでかつ、優秀な人材が多く確保されるのなら企業にとっても、多大な利益をもたらすメリットがあることも事実です。

高齢者社会まっしぐらの世の中に、定年延長は、雇用される側と企業側にそれぞれどのような影響があるのか、今後も注意深く見守る必要がありますよね。

まとめ

定年延長したことによる企業側のメリット・デメリット

・優秀な人材を長く確保できる
・指導者として若者を育ててくれる
・将来の不安がなくなり労働意欲がわく
・社員の高齢化が進む
・高齢者に生きがいを与えられる
・人件費が増大し圧迫される
・雇用する人材を選べない
・健康維持と安全対策の管理不安


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