普段何の意識もせずにしている呼吸が、実は体の新陳代謝に大きくかかわっているのを知っていますか。
例えば、運動する時、息を止めて運動をすると筋肉は増強されますが、脂肪は分解されません。脂肪を分解するには、呼吸をしながら時間をかけて行う有酸素運動が必要なのです。酸素を体に取り込みながら動くことで、代謝が促され、脂肪が分解されていくんですね。
このように、呼吸は代謝力を上げるために大変重要な役割を持っているのです。代謝は健康や美容に大きな影響を与えます。代謝力をアップさせると、脂肪のつきにくい体になるだけでなく、美しい肌を生み出してくれます。正しい呼吸法を身につけると、美肌作りに役立つ…ということなのですね。
呼吸法といえば、ヨガです。ヨガは、意識して深く呼吸し、さらにポーズをとることで、体全体の血行を良くしことで心も体もリラックスし代謝力を高める運動です。そこで今日はヨガの呼吸法で、美しい肌を手に入れる方法をお伝えします。
ヨガの呼吸法を使って
美肌を手に入れる7つの術
ヨガの呼吸の仕組みを知ろう
呼吸は「息を吸い酸素を体内に取り入れ、不要は体内の二酸化炭素を体外に排出する」という活動です。体内に取り入れられた酸素は、血液に乗って全身をめぐり、細胞に取り込まれ、エネルギーとなります。
普段は特別意識せずに行っている呼吸を、空気を取り込もう、体中に酸素を送り届けよう・・と意識して行うのがヨガの呼吸法です。
人はリラックスしているときには呼吸が深くなり、副交感神経を刺激し幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌が活発になります。セロトニンの分泌が促されると、心と体のバランスがよくなり、代謝が促進され美容や健康に大きな栄養を与えます。
ヨガの呼吸法は、意識してそのリラックスした状態を作り出し、心と体のバランスをよくします。美肌を作り出すのに効果を発揮してくれるわけですね。この3ステップを繰り返します。
女性の場合は、普段は胸式呼吸をしている人がほとんどです。腹式呼吸をするには、かなりお腹を意識することが必要です。
立ったり座ったりした状態で「腹式呼吸が出来ているかどうかわからない…」という人は寝転がった状態で試してみてください。人は寝転がると自然に腹式呼吸になります。寝転がったときの呼吸の感覚を覚えると、座った状態でも腹式呼吸が出来るようになります。
腹式呼吸は、体幹を支えるインナーマッスルを使います。腹式呼吸をすることによって血流を活発にし、基礎代謝力をアップさせてくれるのです。美肌作りには代謝をアップさせることがとても重要な要素です。ぜひ、ヨガの基本、封指揮呼吸をマスターしたいですね。
ヨガの基本呼吸法に挑戦しよう
ヨガの基本的な呼吸は腹式呼吸です。
①体から力を抜き、リラックスした姿勢をとる
②息を吐ききる
③お腹が膨らんでいくのを意識しながら自然に息を吸う
ハタ呼吸で体調を整えよう
ハタのハは太陽、タは月を意味する、体の陰と陽のバランスを整える呼吸法です。ヨガの世界では、右の鼻は太陽の、左の鼻が月の気道をつながっていてバランスが保たれていると考えられています。
右の鼻から吸う息は「陽」で体を温めます。左の鼻から吸う息は「陰」で体を冷やします。自分の体調に合わせて呼吸する鼻を変えることで、体調を整えることができます。
ハタの呼吸
①床や椅子にリラックスした姿勢で座る。
②右手の親指を右の小鼻、薬指を左の小花に添える。人差し指と中指を軽く眉間に当て、手を安定させる。
③鼻から息を吐ききる。
④親指で小鼻を抑え塞ぎ、左の鼻から息を大きく吸う。
⑤薬指で左の小鼻を抑えて塞ぎ、右の鼻から息を吐ききる。
⑥左右交互に呼吸を数回繰り返す。
体調が整っているときには、左右交互に繰り返します。体を温めたいときには右から、熱がこもっているときには左からの呼吸を増やすと体調を整えるのに役立ちますね。
火の呼吸で自律神経を刺激しよう
ヨガの呼吸というと、ゆったりとしたイメージがありますが、この日の呼吸は激しい呼吸です。お腹の筋肉を刺激し、短時間でエネルギーを使い自律神経を刺激するので、トレーニングに取り入れる格闘家もいるほどです。
火の呼吸
①リラックスした姿勢で座る。両脚を交差し背筋を伸ばす安楽座などの瞑想のポーズがベスト。
②みぞおちに意識を集中させる。
③鼻から息を吸い、お腹を膨らませる。
④お腹を勢いよくへこませながら息を吐く。
⑤へこませたお腹を緩めながら息を吸う。
⑥呼吸を途切れさせず、1分に30回ほどのペースで3分間続ける。
通常よりかなり早い速いペースで呼吸をします。息を吸うことに夢中になると、過呼吸になってしまいます。吸うことより、しっかりと吐くことに意識を集中してください。血流が急激に良くなるので、血圧が高い人や、妊娠中の人はこの呼吸はNGです。
腹筋をかなり刺激し、有酸素運動としてもとても有効です。基礎代謝がグンと上がるので、きれいな肌を作り出すのにとても役立つ呼吸法です。
ウジャイーで美肌を手に入れよう
ヨガの基本は腹式呼吸と紹介しましたが、このウジャイー呼吸法は胸式呼吸です。胸式呼吸は、準備体操などの深呼吸で行われます。
交感神経を活発にし、すっきりとリフレッシュさせてくれる効果があります。基礎代謝を邪魔する「ストレス」を発散させてくれるので、美しい肌を作り出すのにも効果があります。
ウジャイー呼吸法
①胡坐をくんで姿勢を整える。
②お腹に力を入れて意識して胸を開く。
③下腹部に力を入れてへこませたまま、鼻から空気を吸って鼻から出す。
④空気が喉の裏を通るのを意識する。喉を通る時に、スゥースゥーと空気が通る音が聞こえるのを意識しながら呼吸をつづける。。
⑤3分ほど続けたら、ゆっくりと普段の呼吸に戻す。
普段は何の意識もしていない呼吸ですが、お腹を意識してへこませたままする呼吸は、意外と負荷がかかるのがわかります。美肌の基本は、消化器官がしっかりと働かせることです。ウジャイー呼吸法は内臓器官を活性化させてくれるので、美肌作りに効果を発揮してくれるんですね。
ねじりのポーズで内臓から効かせよう
ねじりのポーズは、内臓の働きを活性化してくれます。特に肝臓や腎臓といった代謝に大きく関係のある部位を活性化してくれるので、体の不調を整えるのにも一役買ってくれます。
ねじりのポーズ
①両脚を前に伸ばして腰を下ろす。
②右足のかかとを左のお尻の横へしっかりと引き寄せる。左脚は、右膝の外側へと移動させる。
③息をゆっくりと吸う。背筋を真っ直ぐに伸ばす。
④息を吐きながら、上体を左へねじり、右腕は左膝にかけ固定する。上体は上へ引き上げ、両肩は下へと引き下げキープする。
⑤息を吸いながら、上体を元の位置に戻す。
⑥左右それぞれ3回行う。
背骨が丸まらないように注意します。腹筋、背筋にかなり負荷がかかるのがわかります。
内臓の働きが活発になるように刺激すると、便秘が解消され、代謝力をアップさせることができます。体の内側から肌をきれいにする効果があります。
下を向いた犬のポーズで新陳代謝をUPさせよう
下を向いた犬のポーズは、ヨガには欠かせない重要なポーズの一つです。体を支えるのは手と足ですが、腕や脚、骨盤、腰、肩、あらゆるポイントを使ってバランスをとるポーズなので、しっかり調整で着た時には、体のバランスがきれいに出来上がります。
体のいろいろな部位を刺激するので、血流が格段によくなり、新陳代謝に大きな影響を与えます。
下を向いた犬のポーズ
①腕は肩幅、脚は骨盤幅で四つ這いになる。背中は床に平行になるようにする。
②息を吸う。
③息を吐きながら、お尻を天井へ突き出すように持ち上げる。
④腰と膝をまっすぐに伸ばし、かかとは床につける。
両手両足は床につけたまま動かさないのがポイントです。かかとを床につけることがきつい場合には、膝を出来るだけ伸ばすようにしましょう。
血行が良くなることで美肌につながりますが、腹筋や腿、ふくらはぎ、腕や肩の筋肉にもかなり刺激があるので、全身を引き締めるのに効果がありますね。
いかがでしたか。ヨガはゆったりと穏やかな動作に見えて、なかなか筋力体力が必要なものです。ヨガでは深く呼吸すること、呼吸しながら動くことは簡単なように見えて、実はとてもエネルギーを消費するものだと実感できます。
今日お伝えしたヨガは、呼吸法もポージングも、寝る前、テレビを見ているときなどに気軽に取り組めるものばかりです。家で過ごすときの「ながら運動」にはぴったりですね。手の空いた時間に取り組んで、美しい肌を手に入れてくださいね。
今日のまとめ
ヨガの呼吸法を使って美肌を手に入れる7つの術
・まずはヨガの呼吸の仕組みを知ろう
・ヨガの基本呼吸法に挑戦しよう
・ハタ呼吸で体調を整えよう
・火の呼吸で自律神経を刺激しよう
・ウジャイーで美肌を手に入れよう
・ねじりのポーズで内臓から効かせよう
・下を向いた犬のポーズで新陳代謝をUPさせよう