肝臓は、生命の維持に必要な様々な働きをしている臓器です。その働きを大まかに分けると、代謝機能と解毒機能に分けることができます。代謝機能というのは、肝臓が吸収された栄養素を身体が利用しやすい物質に変え、貯蔵したり、全身の臓器に供給する働きを言います。
また、解毒機能というのは、肝臓が様々な物質を毒性の少ない物質に変えて、尿などに排泄する働きを指しています。
肝臓は沈黙の臓器と言われ、病気にかかってもすぐには症状の出ることが少ないため、日ごろから肝臓に良い食べ物をしっかりと摂って肝臓を労わってあげることが大切です。肝臓に良い食べ物を覚えておいて、上手に毎日の食事に取り入れ、健康な肝臓を維持していきましょう。そこで本記事では、上手に毎日の食事に取り入れ、健康な肝臓を維持できるよう、肝臓に良い食べ物を7食品、ご紹介します。
二日酔いの予防にはしじみがおススメ
肝臓に良い食べ物といえば、しじみです。しじみには、100gあたり15mgのオルニチンが含まれています。オルニチンにはアルコールの分解機能を回復させる効果の他、肝臓でアルコールを解毒する際にできるアセトアルデヒドを解毒するのを助ける作用があるからです。
アルコールを沢山摂取すると肝臓でのアセトアルデヒドの解毒が追いつかなくなり、その結果二日酔いになってしまいます。そのため、アルコールを沢山摂った時には、アセトアルデヒドを解毒してくれるオルニチンを沢山含むしじみを食べると良いと言われているのです。
牡蠣のタウリンがコレステロールを排出!
牡蠣も肝臓に良い食べ物のひとつですね。牡蠣100gには、1,130mgものタウリンが含まれています。成人の、一日に必要とされるタウリンの摂取基準が500mgであることを考えると、牡蠣を食べることで非常に沢山のタウリンを摂取できることが分かります。
タウリンは、肝臓でアルコールを分解する際に、分解酵素を助ける働きをしてアルコールの分解を早め、それによって肝臓の負担を減らす働きをしてくれます。また、肝臓での胆汁酸の分泌を促進させて肝臓や血管内のコレステロールを排出してくれる、肝臓に良い食べ物です。
イカやタコにも、豊富なタウリン!
タウリンが多く含む肝臓に良い食べ物ならば、イカやタコもそのひとつです。イカ100gには、約700mg(種類によって違います)のタウリンが含まれています。イカ100gは、生のヤリイカの胴体半分くらいの量です。タコ100gには、約1,600mgものタウリンが含まれています。タコ100gは、すしネタサイズの生のお刺身8切れ程度です。
タウリンには肝細胞を元気にする働きがあると言われています。イカやタコにはかなり沢山のタウリンが含まれていますので、少量食べるだけでも十分な量のタウリンを摂取することができます。
納豆が作り出す酵素に注目!
納豆には良質のたんぱく質が含まれており、これが沢山の種類の酵素を作りだす素となります。そのため、多くの酵素が働いている肝臓にとって、納豆はとても優れた食品となり、納豆もまた肝臓に良い食べ物です。
また、肝臓で中性脂肪が作りだされるとそれを運び出さなくてはなりませんが、その働きをする物質の素となるのがレシチンです。納豆にはこのレシチンが豊富に含まれています。納豆が肝臓に良い食べ物とされる理由は他にもあります。肝臓での酵素の働きを助ける亜鉛やカリウム、マグネシウムを豊富に含んでいます。
レバーは肝細胞の再生に役立つ
レバーは非常に栄養豊富な食品ですが、肝臓に良い食べ物としても有名です。特にレバーに豊富に含まれている葉酸には、細胞の再生を活性化させる働きがありますので、日ごろから酷使されてダメージを受けやすい肝細胞を再生させて健康に保つのに役立ちます。
また、レバーにはメチオニンという活性酸素を取り除いて肝機能を強化したり、脂肪肝を防ぐ物質を合成し、解毒作用を高める物質が含まれていますので、積極的に摂りたい肝臓に良い食べ物のひとつです。
カツオやブリなら生で食べるか、加熱調理で
カツオやブリなどの魚類にはタウリンが豊富に含まれており、肝臓に良い食べ物です。特に魚の血合いの部分には沢山のタウリンが含まれています。
カツオは100gあたり160~830mg(部位によって違います)のタウリンを含んでいます。ブリは100gあたり180~670mg(部位によって違います)のタウリンを含んでいます。
肝臓に良い食べ物に多いタウリンは、水溶性で水に溶けだしてしまいますので、生で食べるか、加熱調理をしたら汁ごと食べることで効率よく摂取することができます。
胡麻の抗酸化作用で活性酸素を無害化
体内で代謝に関わる働きをしている肝臓は、活性酸素の影響を非常に多く受けます。また、呼吸する酸素のうちの30%が肝臓で消費されると言われており、肝臓には非常に多くの活性酸素が発生しやすくなります。
この活性酸素を無害化させるのに役立つ肝臓に良い食べ物が、抗酸化作用の強い胡麻です。胡麻に含まれるセサミンが活性酸素を無害化し、同じく胡麻に含まれるビタミンEとの相乗効果によって、更に強力に活性酸素を撃退してくれます。日ごろから意識的に肝臓に良い食べ物である胡麻を、摂取するようにしましょう。
さて、肝臓が疲れてだるさや疲れを感じていたら、ここに挙げた7つの肝臓に良い食べ物で良い成分を沢山摂ってみましょう。全身の代謝や解毒に関わる肝臓が健康になると、身体全体が元気になります。
とくにアルコールを飲む機会が多くなる時期は、身体の疲れなども重なって、肝臓に負担をかけてしまうことが多くなります。意識的に肝臓に良い食べ物を摂るようにすると良いですね。
肝臓のチェックは朝のトイレでも確認できます。いつもより臭いが気になったり、妙に泡が出たり、色が濃いなど。小さなことでも、体からのサインです。ただし、すでに肝臓に病気のある方は、これらの成分が逆に肝臓の負担になってしまうこともありますので、医師の指導のもとで正しい食事方法を実践して下さい。
まとめ
肝臓に良い食べ物☆疲れやだるさを改善する7食品!
・二日酔いの予防にはしじみがおススメ
・牡蠣のタウリンがコレステロールを排出!
・イカやタコにも、豊富なタウリン!
・納豆が作り出す酵素に注目!
・レバーは肝細胞の再生に役立つ
・カツオやブリなら生で食べるか、加熱調理で
・胡麻の抗酸化作用で活性酸素を無害化