尾骨骨折とは、いわゆる尾てい骨と言われているお尻の中心にある骨を骨折することを言います。尾骨部分をスポーツ中に堅い地面に強打したり、強く衝撃を与えることが尾骨骨折の原因になるのです。
通常の骨折は患部を固定するなどして再発しないような予防がしやすいですし、包帯やギブスなどを装着することによって周囲の人にも気遣ってもらいやすいのですが、尾骨骨折は、患部を直接ギブスで固定することができませんし、周囲の人には骨折をしていることが言わないとわかってもらえないため、回復まで苦労するという特徴があります。
とはいえ、尾骨骨折は骨折ですので、激しい痛みを感じますし、腰が思うように動かない症状になりますから、しかるべき治療を受けて、再発しないように自分でケアをする必要があります。そこで、尾骨骨折を繰り返さないために気をつける事をお伝えします。
スポーツを自粛する
尾骨骨折は完治すると痛みが取れるのでスポーツをすることも可能です。しかし、一度骨折をした患部は、再び骨折をしやすくなっているので、尾骨骨折を繰り返さないためには、リスクのあるスポーツを自粛するほうがいいでしょう。
例えば、アイススケートやアイスバーンの状態でのスノーボード、跳び箱や走り幅跳びなどは控えたほうがいいでしょう。
尾骨に長時間の負担をかけない
長時間の車の運転や座る部分が堅い椅子でのデスクワークには注意が必要です。座っている時は尾骨に負担がかかっているため、一度尾骨骨折をしたことがある人は、尾骨部分に負担をかけないようにドーナツ型のクッションを敷くなどの工夫をしましょう。
また、ドーナツ型のクッションが使えない映画館や講演会、セミナーなどの場では、ずっと同じ姿勢で座らないように時々左右のお尻に交代で重心を動かすことなども意識するといいでしょう。
尾骨に負担をかけない座り方
尾骨骨折をした人は、椅子に正しい姿勢で座るように心がけることが大事です。例えば、背筋を伸ばしているのが辛いからといって、浅く椅子に座って、姿勢を低く背もたれに背中をつくような座り方をしていると尾骨に負担をかけてしまうことになります。
椅子に座る時は、左右のお尻の中にある恥骨と尾骨にバランスよく体重が乗るように背筋を伸ばして正しく座るようにしましょう。
骨折直後の就寝時の注意
尾骨骨折は、直接サポーターやギブスなどで骨折患部をカバーできないため、自分で意識して負担をかけないようにすることが難しく、通常通りの生活をしているとひょんなことで尾骨に負担をかけてしまうことがあります。
例えば、仰向けで就寝をすることが多い人は、なるべく横向きで寝るようにしたり、尾骨が当たる辺りに柔らかいクッションなどを敷くなど対応をしましょう。腰が反っている人が仰向けで寝ると尾骨に直接負担をかけてしまうためです。
骨密度を上げる
尾骨骨折は、一度してしまうと同じ箇所に衝撃を当たることで繰り返し骨折してしまうことがあります。そうならないために出来る予防策としては、骨密度をあげて頑丈な骨を作る事が根本でしょう。
骨密度を上げるためには、牛乳やエビ、小魚、チーズなどのカルシウムが豊富に含まれる食品を進んで食べ、さらに適度な運動をすることが大事です。骨折直後は激しい運動はできませんが、ウォーキングや水泳など、骨に衝撃が少ない運動から始めましょう。
骨盤を矯正する
骨盤が歪んでしまうことで尾骨骨折しやすくなります。本来お尻の部分には恥骨と尾骨の骨があるのですが、骨盤が歪むことによって、これら複数の骨にバランスよく負担が分散されなくなってしまうためです。
そこで、骨盤の歪みがある人は矯正するストレッチを行いましょう。体育座りをして、両膝をくっつけた状態で左右に倒した時に均等に床につかない人は骨盤が歪んでいる可能性があります。足を肩幅に開いて、手を腰にあて、腰を上下左右に振り、最後にぐるっと回すというストレッチを10回を目安に行いましょう。
ヒップの筋力アップ
太ってお尻に脂肪がついてしまったり、メタボリックでお腹まわり、腰回りに脂肪が就いている人は、とっさの瞬間に機敏が動きができずにダイレクトに尻もちをついて尾骨を骨折させてしまうことがあります。また、お尻の周りに筋力が不足していると尾骨への負担も大きくなります。
そのため、日頃からお尻に力を入れることを心がけてヒップの筋力をつけるようにしましょう。
さて、尾骨骨折は、小さな尾骨というお尻の中にあるを骨折するものですが、客観的なインパクトの弱さとは裏腹に腰に力が入らなくなってしまい、激痛が走るなどのかなり辛い骨折です。また、小さな骨の部分になりますので、再び衝撃を受けることで骨折を繰り返してしまうことが多いのです。
そこで、自ら尾骨骨折を繰り返さないように日頃から行動に気をつける必要があります。骨折してから実感することですが、尾骨というのは日常生活の中で意外と体の重さを支えている重要な部分です。
座るときも、寝るときも体の重さを支える軸になるのですから、安静にしていても一概にいいとは言えません。尾骨に負担をかけないように特殊なクッションを使うなどして、一層のケアをしてあげましょう。