「コミュ障の自分がバイトできますか」、これは当事者にとってはなかなか切実な問題ですよね。「コミュ障」とはコミュニケーション障害の略です。
本来は対人恐怖症などと同じ病気の一つであり、原因も先天性の障害である人もいれば、精神的ショックなどが引き金になって後天的に発症したという人もいます。
最近はネットスラングから「コミュ障」という言葉が広がり、意味も定義から外れて「病気」というよりも「人見知り」「他人との雑談や関わりが苦手」といった特徴を感じたときなどに都合よく、かつ簡潔な言い訳として使われることも多くなっているようですね。
さて、受け止められ方が広くなってきたコミュ障ですが、なかには「バイトしたい、でも人と関わるのがツライ」と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、コミュ障でも大丈夫!なバイトについてお伝えします。
コミュ障で悩む人に
最適なバイトの種類とその根拠
「工場勤務」なら黙々と作業に没頭できます。
コミュ障さんおススメのバイトとしてまず候補に挙がるのが「工場」でしょう。その中でも「ピッキング(注文書などに書かれた品物を倉庫から運んでくる)」のバイトがおススメです。
「工場」と聞くとどこでも「流れ作業」「単純作業」をしているというイメージがあるかもしれませんが、例えば食品関係や組み立ての工場などでは狭いスペースに押し込められて作業をする羽目になったり、作業中に私語が飛び交っていて集中できなかったりするそう。
どうしても会話をせざるを得ない状況になったりすると、コミュ障さんがバイトしていくうえではツライかもしれませんね。その点ピッキング作業なら一人で行う部分が多いため、無駄に話をしなくても済むし、自分の仕事にも集中できるというメリットがあります。
ただ募集自体が食品関係などに比べると少ないという現実があります。考えるならこまめに情報をチェックしておくとよいでしょう。
「ネットカフェ店員」はコミュ障を越える一歩となる、かも。
喫茶店での仕事は基本接客業……ですが、実は他の飲食店よりお客様との接点が少ないのが「ネットカフェの店員」です。他人と関わるのが苦手なコミュ障さんのバイトとしては比較的向いている方と言えるでしょう。
来店したお客様は個別のスペースに入ってあとは好きに過ごすわけですから、コミュ障さんがバイトとしてこなす接客部分は「受付」「清算」「飲食物の注文があったときの対応」といったところです。
ただ、場所によってはネットカフェ以外のサービスを提供しているところもあります。施設が複合しているところでは当然利用の仕方などを説明したり、お客様からの質問に答えなくてはならないケースもあるでしょう。事前にどのような仕事をすることになるのか、きちんと確認しておいた方が無難です。
「清掃員」って実はけっこう狙い目なんです。
街中でよく見かける清掃員……ご年配の方の仕事というイメージを持っている人もいるようですが、ふたを開けてみると結構若い世代も多いのがこの仕事です。
決められた手順で決められた掃除をしていれば必要以上に人と関わることが少ないという理由から、コミュ障さんのバイトにもってこいといえるでしょう。
ペアになって作業をすることもありますが、たいていは一人で分担場所を黙々と掃除することになります。会社などに派遣されたときは最低限の挨拶くらいは必要になるかもしれませんが、積極的に話す必要性はありません。
ただ、場合によっては(特に男性なら)重い道具も使いこなさなくてはなりません。コミュ障さん向けのバイトの中でも比較的体力勝負になる部類の仕事とも言えます。
「在宅ワーク」であなたの腕をふるってみませんか。
ある程度パソコンを使えるならおススメしたいのが「在宅ワーク」です。仕事の内容もデータ入力や簡単な記事作成からデザイン・イラスト・動画などの作成、アプリ開発など多種多様なので、得意な分野で挑戦することができますよ。
コミュ障さんのバイトの中でも比較的自由に時間を調整できるというのも魅力の一つです。また、基本的にパソコンとネット環境さえあればどこでも仕事ができます。
ひたすら家で引きこもって作業に打ち込むもよし、気分転換にどこか近辺にでかけて作業するもよし、コミュ障さんがバイトしやすい環境を、自分で作り出すことができるのです。
質の良い仕事ができれば単価UPのチャンスにも恵まれるかもしれません。ただし、基本的にクライアントとは顔が見えない中でのやりとりになります。
安易においしい条件に食いつくのではなく、必ず事前に口コミなどで情報を収集し、信頼できるところから仕事を請け負うようにしましょう。トラブルのリスクに対する意識もしっかり持ったうえで臨みたい仕事です。
「警備員」はその気になればスキルアップも可能です。
体力に自信があるコミュ障さんにおススメのバイトが「警備員」です。一口に警備員といっても、仕事内容は大きく3つに分類することができます。
【交通整備員】
街中でよく見かけますよね。工事中の道路や駐車場に来た車を安全かつスムーズに誘導する仕事で、工事に関する交通整備は夜間から深夜にかけて行うことが多いのが特徴です。夜になると元気が出るというコミュ障さんにはもってこいかもしれませんね。
【施設警備員】
ショッピングモールやオフィスビル、デパートなどの巡回警備をします。施設内に不審者がいないかや、しっかり施錠がなされているかなどを確認し、利用者の安全に目を配るのが主な仕事です。
たまに来客から質問を受けたり、案内をお願いされる場合もあるのでコミュ障を克服したい人・もしくは軽度のコミュ障さんの武者修行には向いているかもしれません。
【雑踏警備員】
イベント会場やライブ会場などでの巡回警備が主な仕事になります。こちらはさらに、一般人の誘導や案内などで他人と話をする機会が増えるかもしれません。不審者や他者への迷惑になる輩に対して立ち向かう必要性も、他2つに比べればやや多いといえるでしょう。
コミュ障さんのバイト、といっても個性によって向いているか否かは変わってきますが、ニート状態から脱出したいと考えている人は、まずは比較的他者との関わりが少ない「交通整備」か「施設警備」がいいかもしれません。
警備員の仕事はどこも最低限の研修を受講してから現場での勤務となります。警備業務関係の資格もいろいろあるので、現場で経験を積みながらスキルアップを図ることも可能です。
いかがでしたでしょうか。
大事なのは自分を大切にしつつ、「コミュ障」を言い訳には使わないこと、無理をしろとは言っていません。無理に変わる必要もありません。苦しいものは苦しく、それは他の誰にわかることではありません。
だったら対策を考えましょう。「苦しくなったときにどうすればその苦しみを軽減できるのか」「どこまでのラインなら自分は耐えられて、どんなことが耐えられないのか」まずは己をきちんと知ることです。
コミュ障だからバイトができないのではないのです。コミュ障だってできることはいっぱいあります。「コミュ障だからバイトには向いてない」の一言で自分の可能性のすべてを閉ざさないようにしましょう。
まとめ
コミュ障で悩む人に最適なバイトとは
・ 「工場勤務」なら黙々と作業に没頭できます。
・ 「ネットカフェ店員」はコミュ障を越える一歩となる、かも。
・ 「清掃員」って実はけっこう狙い目なんです。
・ 「在宅ワーク」であなたの腕をふるってみませんか。
・ 「警備員」はその気になればスキルアップも可能です。