腓骨骨折したときの治療・リハビリ法を詳しく解説します!

人間の体でも骨折しやすい場所として挙げられるのが、腓骨です。足首近くは2本の骨が平行して体を支えていて、1本は体重を支える太い骨、もう1本はその骨を添えるようにして動きをコントロールするために外側に骨があります。この外側の骨の先端部分が、まるくなっており、腓骨と呼ばれています。そう、腓骨は、俗に言うくるぶし部分なのです。

腓骨は老若男女問わず骨折しやすく、段差で転んだり、スポーツなどで捻ったりしただけで、表面が剥がれたり、先が折れたりするのです。日常生活で片足でも歩けなくなってしまうというのは、とてつもない負担になります。

では、その腓骨骨折の治療・リハビリはどのようなものでしょうか。そこで今日は、その治療法とリハビリ法に焦点を当てて、詳しく説明します。

最もポピュラーなギプスで固定する保存療法

腓骨骨折の治療法としてまず一番に挙げられるのが、保存療法です。靭帯が切れていない状態で、腓骨骨折した骨部分にズレがない場合には、手術はせずにギプスで固定して治します。

個人差や骨折の具合にもよりますが、約3週間程度はギプスの固定が必要で、レントゲンにより診察を何度か行い、骨がくっつくまで経過を診ていきます。ギプスを外してからは、通院を繰り返し、日常生活ができるようになるまでリハビリを行ないます。

 

くっつき難い骨折には、手術療法で治療します

腓骨骨折の手術は、骨折した部分を元の位置に戻し、ネジやボルトなどで固定するという方法が主です。術後は、足首を直角にして、およそ3週間は腓骨骨折した側の足に体重がかからないよう松葉杖などを使用して生活します。

ギプスで固定するので、エコノミー症候群にならないために、足を上に上げるようにすごしたり、動かせる場所は積極的に動かすようにします。体重をかけて歩くことができるのは、3〜4週間後、レントゲンで診察をして骨がくっついたか確認をしてからになります。

 

一日20分だけの超音波治療で治りが3割も早まります

野球の松井秀喜や、サッカーのベッカムなど、プロスポーツ選手が骨折の治療として取り入れた超音波治療が話題になっています。弱い超音波を一定のリズムで患部に照射することで、約3割も治りが早いと言われています。

整形外科でおこなう治療なので、腓骨骨折の治療としても、十分効果があるでしょう。実際の治療は、一日20分程度、骨折した患部に超音波を当てます。病院に通院しなくても、超音波の治療機器は医療機関から貸し出されるため、とてもお手軽な治療法でしょう。ギプスの上からでも超音波を当てられて、痛みや違和感なども殆ど感じる事はありません。

 

浮腫みを解消したり、腫れに対応したリハビリから始めましょう

日常生活に戻るためおこなうリハビリは、ギプスで固定されている期間から始まります。腓骨骨折した患部周辺は、筋肉組織や腱などにもダメージがかかっているため、炎症して腫れがあります。また、固定されている為に血流も悪くなって浮腫んだりするため、放っておけば回復が遅れてしまいます。

ギプス装着中は、浮腫み解消のために足を高く上げた自転車漕ぎ運動や、ギプスで固定されていても足の指などは出ているので、指を動かすためにスーパーボール拾いや、足指じゃんけんなどをします。

 

元の生活に戻る為、体重をかけるリハビリに進みましょう

ギプスがとれてからは、着実に元の生活に戻れるように、本格的なリハビリが始まります。病院などのリハビリ施設では、まずジャグジーの様な温浴槽に腓骨骨折した患部をつけて、筋肉の緊張をほぐし、血管や神経のめぐりをスムーズにします。もしくは、事前にマッサージなどもおこないます。

リハビリ本番には、理学療法士と一緒に骨折した患部を動かす練習をします。関節を曲げ伸ばししたり、体重を少しずつ乗せる訓練です。まずは全体の1/3、次に半分など、段階によって全部体重をかけて歩けるようになるために慣らしていく歩行訓練をします。

 

電気や鍼を上手に組み合わせて、治りを早めましょう

歩行訓練意外にもリハビリとしてよくプラスされるのが電気療法や鍼治療などです。電気療法では電極を患部にあて、微弱な電流を流すことで痛みの軽減、血行促進に効果があり、しびれなども回復すると言われています。この効果で可動域を改善させたり、周りの筋肉に柔軟性をもたせる働きもあります。

また、リハビリをおこなう機関によっては、鍼治療も平行しておこなう場合もあります。歩行訓練や可動域の訓練は、多少痛みを伴うため、リハビリ前に鍼治療などで痛みを和らげるなど、辛いリハビリの負担を少しでも軽減することが出来ます。

 

体でも小さな部分の腓骨骨折ですが、足は全体重を支えるという重要な役目がある場所なので、治療やリハビリは手が抜けません。多くのケースで選択される手術療法では、若年者で骨が成長途中にある場合などは、後からボルトを除去することもあります。

患者それぞれが自分の生活習慣などを考慮して、主治医と相談して決めることなので、信頼できる医療機関で、疑問の残らないようにしておきましょう。

腓骨骨折をした場合には、特に、歩行のために体重をどれだけかけられるかの訓練が重要になります。ギプスを外せばもう治った気になってしまいますが、そこからのリハビリが長く辛いものになります。リハビリの期間はできるだけ他の負担を減らして集中し、少しずつ回復していく覚悟をしておきましょう。


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