不倫の慰謝料は、どのように決まるかご存知でしょうか。ちょっとした出来心といっても、不倫は夫婦のキズナをあっさりと引き裂くものです。裁判になって慰謝料の金額などで揉めることの多いこの問題ですが、公にしたくないということから、泣き寝入りをしてしまう配偶者もいるのです。
不倫をされて慰謝料までもらえないなんて、むなしいだけですよね。弁護士に相談するにも金額もかかってしまうので、頼りたいけど頼れないという方も多いのではないでしょうか。ある程度の知識を頭に入れておくことで、不倫をされても慰謝料を適当な金額でごまかされることもなく請求できるでしょう。
離婚の80%以上の夫婦が話し合って合意に至っているという社会。今回は、不倫の慰謝料の相場と失敗しない請求方法についてお伝えします。
不倫の慰謝料。
相場と失敗しない請求方法
不倫の慰謝料は誰に請求できるのか
不倫の慰謝料は、不倫をしていた配偶者とその相手からそれぞれに請求することができます。しかし、不倫相手が配偶者がいることを知らされていなかったり、無理やり関係を迫られて断れなかったなど、「既婚」と知らずに関係を持ってしまった場合は、不倫相手からの慰謝料請求は厳しいでしょう。
この場合、不倫した配偶者のみからの慰謝料を請求することができます。金銭が絡んでしまうと、不倫をしていたという事実を認めないこともあるので、当事者だけの話し合いだけでは請求額を減額されてしまうこともあるでしょう。
感情だけでぶつからず客観的な視点で
不倫の慰謝料請求で失敗しやすいのが、感情だけでぶつかり合った時です。どうしても、配偶者に「裏切られた」という怒りが抑えられなくなり、思うだけの罵声を浴びせてしまうことがあります。感情のみのぶつかり合いが、慰謝料請求を拒否されてしまうことも少なくはありません。
冷静に交渉を進めていくには、第三者を間にいれて話し合うのが一番ですが、デリケートな問題なので二人で話し合う時は、事前に話し合う内容をメモ書きにしておくといいかもしれません。冷静な判断ができるよう、心に余裕を持つことが大切です。
不倫の慰謝料の相場は50~300万と幅広い
不倫の慰謝料は、既婚と知っていながら男女の関係になってしまった相手にも請求ができます。しかし、不倫をしても慰謝料はもらうけれど、婚姻生活はこのまま続けるという夫婦もいることから、不倫の期間や内容、夫婦の関係などを含めて金額が変わっていきます。
不倫が発覚し離婚した場合の慰謝料は200万~300万くらいの金額が支払われています。不倫が原因で別居した場合の慰謝料額の平均は100万~200万、離婚などはせずに今後も夫婦生活は続行する場合の慰謝料は50万~100万というのが、不倫の慰謝料の相場です。
不倫の慰謝料の交渉は短期間で行う
不倫の慰謝料の金額は、双方の折り合いが決裂してしまうと、長期間の交渉となり最終的には裁判へ・・・という事態に流れていきます。しかし、不倫の慰謝料請求はお互いの神経をすり減らすので、途中で嫌気がさしてしまって請求を取り下げてしまう方も・・・。
金銭が絡むと、さらにお互いの嫌な部分が見えることがあるため、精神的に相当な覚悟が必要なのです。焦りは禁物ですが、これ以上深い傷で自分自身を追い込まないためにも、短期間で不倫の慰謝料請求を計画的に行っていきましょう。
交渉がうまくいかないと判断した場合はお互いの条件をすり合わせる
不倫の慰謝料は、金額にこだわってしまったり、条件ばかりを提示しすぎると難航してすべてが破棄されることもあります。それでは、こちらの立場は踏んだり蹴ったりですよね。ある程度の期間で相手の様子を伺い、見極めなければいけません。
長期間交渉を避けるため、交渉決裂してしまわないように相手の条件も少しは呑みつつ、こちらの条件も少し歩み寄るというようなカタチに持ち込むよう誘導していきましょう。早くても遅くても交渉は難航しますので、よく相手の動きを確認することがポイントです。
不倫の慰謝料請求は3年間で時効
不倫の慰謝料を請求できるのは、不倫が発覚してから3年間です。慰謝料請求にも時効がありますので、すでに10年前に終わっている不倫の慰謝料請求を行ったところで、棄却されてしまうので不倫の事実を知ってしまったらすぐ行動に移しましょう。
不倫の事実を知ってから3年以上まだ継続中の場合は、慰謝料請求ができますので、いつ不倫の事実を知って、いつその関係が終わってしまったのかをきちんと把握しておかなければいけません。
不倫が原因で離婚をした後に不倫の慰謝料請求をしても、先に慰謝料をもらっている場合はもらえる可能性は低いでしょう。
いかがでしたでしょうか。不倫の慰謝料請求は、想像していたよりも精神的にも、金額的にも厳しかったという方が多くもう二度と関わりたくないと深いキズになってしまうこともあるようです。交渉を円滑にするには、しっかりした書面でのやり取りが一番簡潔に行えるでしょう。
弁護士や行政書士に書類を作成してもらってもいいかもしれませんね。しかし、金額をあまりかけたくないという方は、ネットなどでも書類の書き方が載っていますので、参考にしながら作成してください。
不倫相手に慰謝料を請求する場合は、既婚と知りながらの関係だったのか、肉体関係があったのかという事実をこっそり証拠として押さえておくと有利に請求ができますので、証拠を集めておくことも重要です。すぐ証拠を提出せずに、最終的に交渉が難航したときなどに効果がありますので、大切に保管しておきましょう。
まとめ
不倫の慰謝料の相場と失敗しない請求の方法は
・不倫の慰謝料を請求できる相手は不倫をした配偶者とその相手
・感情的に不倫の慰謝料の請求を進めると、交渉が決裂する可能性が高い
・不倫の慰謝料の相場は50~300万までと状況によって異なる
・短期間交渉が成功のコツ
・不倫の慰謝料の交渉が難航したときは、条件をお互い歩みよる
・不倫の慰謝料請求ができるのは、不倫を知ったときから3年間