離婚したいと願い、離婚に向けて気持ちを固めている方のために、今回は「離婚を思いとどまった方が良いケース」についてお伝えします。離婚したいと願いつつも、ほんの一かけら、心の中に迷いがある方は、以下の5つのケースを参考にご自分の状況を振り返ってください。
世の中には、すぐにでも離婚した方が良い夫婦がいます。多くの場合は家族内でDVなどの暴力が起きているパターンです。暴力性のある人間は、性格を更生するために数年間を要します。しかし子どもへの暴力は命に関わるため、一刻も早く引き離す必要があります。家族内で子どもに対する暴力がある過程は、即時離婚を要するケースと言えますよね。
そんな極例とは違い、「お互いの性格の不一致」などのあいまいな理由を掲げて離婚するケースも多々あります。そういった日々のストレスの積み重ねによる離婚は、離婚届を出す前に「本当に離婚していいのか」をよく考えるべきです。
以下に、離婚をとどまった方が良いケースをお伝えするので、ご自分の状況と照らし合わせて離婚を再考してください。
一時の感情に流されている場合
夫婦喧嘩をした後に、怒りの勢いに任せて離婚届けを役所に取りに行く人がいます。というよりも、「どの夫婦にもこんな経験があるのでは?」と言えるくらい、一時の感情で離婚したいと考える人がいるのです。
言うまでもなく、それはただの一時的な感情に流されている状態ですよね。そんなことで人生を共にすると誓った伴侶と分かれていてはきりがありません。結婚した以上、あなたは一人前の大人です。大人が一時の激情で、いちいち離婚していてどうするのですか?少し冷静になって、自分の感情に流されない理性を持ってください。
離婚届を出すまえに、その「離婚したい!」はただの勢いであるかどうか、御一考くださいね。
どちらかが病気の時
どちらかの病気が原因で離婚を考えている場合。もしくは、性格の不一致などで離婚を考えているが、どちらかに入院を要する病気がある場合は、離婚を思いとどまるべきです。
病気の治療は大変なものです。一人ではとても乗り切れず、他者の助けが必ず必要となります。一度結婚したのであれば、「病気だから」と手を離さずに、「病気だからこそ」手をつなぐべきです。「病気の看護で一生を終えたくないから離婚したい」と願うかもしれませんが、離婚後も「見捨てた」という罪悪感から逃れずに苦しむかもしれません。
一方、病気の伴侶を支え続けたという経験は、あなたの強い自信になります。どちらかが病気の時は、離婚を思いとどまり、相手の支えになる選択肢を再考してみてください。
子どもが離婚に反対した時
子どもがいて、子どもが離婚に反対した時は、離婚を思いとどまるべきです。離婚の原因は様々ですが、DVなどの緊急性がなく離婚を考えているときは、子どもの気持ちを優先するべきです。子どもにとって両親が不仲であっても、両親がそろっている方が精神的に安定するからです。
暴力がなく、気持ちだけがすれ違っている夫婦ならば、子どものために一世一代の名役者になって、せめて子どもの前だけでは「仲良し夫婦」を演じてください。そして子どもが成人して、「親」としての責務を全うした後に、夫婦で話し合って離婚をすればいいではないですか。
子どもを産んだ時点で夫婦二人ともに、その子どもを心身ともに健康に育てる義務があります。子育ての責任を逃れて自分たちの気持ちを優先させるほどに、その「離婚」が必要なのかどうかを再考してください。
経済的に余裕がなくなると想定した時
離婚したいと願っても、離婚後の生活が成り立たない場合は、離婚を思いとどまるべきです。
ずっと専業主婦でいた女性は、離婚したら働いて家計を回さなくてはいけなくなります。社会に出て、嫌な人がいても職場にとどまり続けなくてはなりません。夫が毎日当然のようにしてくれていた仕事も、経験のない妻には重荷かもしれません。また、離婚後は仕事も育児も一人で負担しなくてはなりません。仕事のストレスから、ついつい家で子どもに八つ当たりするなどの状況に陥る可能性があります。
離婚したいと願うならば、離婚後の自分の状況もしっかりと想定して、自分が耐えうるかどうかを再考してください。踏みとどまって今の生活を続ける方が、ご自分に合っているかもしれませんよ。
たった一度の浮気が原因の時
浮気が原因の離婚は「やむなし」と言わざるを得ません。結婚とはそもそも、「一生あなただけを愛し続けます。」という契約なのだから、「浮気」は単純明快な契約違反だからです。浮気を繰り返す「浮気性」の人であれば、伴侶に「離婚したい」と見捨てられても仕方ありません。
しかしつい悪状況が重なって浮気してしまった場合は、即離婚という罰を与えるよりも、単純な謝罪を確認できれば十分ではないですか?一番の愛情があなたに注がれていることさえ確認できれば、離婚までする必要はないのではないでしょうか。
長い夫婦生活なので、気持ちが浮つくことはお互いにあるはずです。たった一度の浮気であれば、離婚を考える前に「許す」努力をしてください。
さて、離婚したいけど、考え直した方が良い5つのケースを紹介してきました。結婚は簡単ですが、離婚は財産分与や子どもの親権など、複雑な事柄を多く乗り越えなくてはなりません。人生で、出来れば離婚など、誰もしたくはありませんよね。「離婚したい!」というその気持ちのおかれている状況が、本当に「離婚すべき状況」なのかどうかを、冷静に客観的に、もう一度考えてみてください。子どもがなく、夫婦二人だけの場合であっても、思いとどまった方が良い離婚のケースもたくさんあるのです。
結婚前に「この人と一生やっていく覚悟」を持ったはずです。ご自分の選んだ相手だからこそ、今一度信頼関係を持とうと再考することは無駄ではありませんよ。