近頃「ダイエットにはヨガは向いていない」と言われていますよね。確かに一般的なイメージのヨガはよくテレビのコマーシャルで女優さんたちが涼しい顔をしてやっているような感じで、あまり運動量は多くなく、汗もかかなければ息も切れないという印象があります。
そのイメージは正しく、一般的にヨガと言われるものは動きも少なく、ほとんどのものはダイエット向きのヨガポーズとは言えません。ですが、実はヨガにはたくさんの種類があり、非常に運動量のある流派も存在しますし、ダイエットに向いているヨガポーズもあるのです。
ダイエット目的でヨガを実践するならダイエットに向いているヨガを行えばいい！ということで、今回はダイエット向きのヨガポーズをお伝えします。
ダイエットに向いているヨガポーズの条件を知ろう
ダイエットに大事なのは痩せやすい体を作ること。痩せやすい体とは、基礎的な代謝量の多い体。分かりやすく言うと「消費の激しい体」です。体に入ったカロリーは主に筋肉で消費されますが、筋肉量が少ないと消費されずに体に蓄積されます。
これが「ぜい肉」と言われるもので、なくすには消費するしかありません。消費する方法は２つ。新たに入ってくるカロリーを少なくし在庫を消費するか、運動して筋肉で消費するか、です。では、ダイエットに効くヨガとはどんなヨガなのでしょうか。
それは、既にある筋肉で消費をしつつ筋力アップをして消費量を上げていく、一石二鳥のヨガなのです。でも、筋力アップしすぎてムキムキになるのも嫌！という女性は多いですよね。
ご安心ください、ヨガで鍛える筋肉は主にインナーマッスル。体の表面には影響を及ぼしにくい筋肉です。インナーマッスルを鍛えると、基礎代謝が上がるほかに姿勢が良くなったり腰痛や肩こりなどを予防できたりと良いことばかりなのです。
下向きの犬のポーズでしなやかな体を作ろう
ヨガでは基本的なポーズ「下向きの犬のポーズ（アド・ムカ・シュヴァーナサナ）」。腰やハムストリングス（太ももの裏側）のストレッチ、自律神経を整える効果があるポーズです。背中やひざの裏、足首の伸びを感じましょう。
１．四つん這いの姿勢から始めます。手は肩の真下に、膝は腰幅くらいでヨガマットにつきます。つま先は立てます。
２．両手両足で体を持ち上げ、お尻のしっぽの骨が一番高くなるように体全体で三角形を作ります。膝は無理に伸ばさず、できるところまででOK。マットに足の裏全体がつかなければ、かかとが浮いても構いません。
手のひらの外側に体重がかかりやすいので、できるだけ親指側が浮かないように注意してください。頭は腕と並行に。
3.肩に力が入らないように、背中が丸まらず、気持ちよく伸びるところを探してみましょう。ゆっくり胸で呼吸をし、５呼吸の間ポーズを維持します。
4.ゆっくり膝をつき、最初の姿勢に戻ります。
板のポーズで全身の筋力強化をはかろう
「板のポーズ（クンバカーサナ）」は「プランクポーズ」とも呼ばれ、ダイエットに有効なヨガのポーズとしてだけではなく、筋トレの方法として広く知られています。インナーマッスルや腕・背中・下半身と、全身を鍛えられるポーズです。
１．下向きの犬のポーズと同じ状態から始めます。２．膝をマットから上げ、体を伸ばして頭からかかとまでを一枚の板のようにまっすぐに。手は肩の真下につき、腰が上がりすぎたり下がりすぎたりしないように注意しましょう。
３．肩甲骨同士を離すように背中を広げ、かかとは後ろに突き出すように。腰が落ちないように腹筋を使いましょう。お尻は中心に寄せるようにしつつ、尾骨はかかとのほうに伸ばす感覚を。
４．30秒～１分この姿勢をキープしつつも、呼吸を止めないようにしましょう。
三角のポーズでボディラインを整えよう
ダイエット目的でヨガを始める人には、体重を落とすだけでなくすっきりしたボディラインを手に入れたいという願いもあるものです。
ボディラインの崩れの原因として多いのが、便秘や冷えが原因のむくみ。そんな人におすすめのポーズが「三角のポーズ（ウッティタ・トリコーナーサナ）」です。ウエスト周りの引き締めにも効果的ですよ。
１．広めに両足を開き、右足をマットと並行に、左足をマットと直角になるように立ちます。
２．両腕を肩と同じ高さに、床と並行になるよう持ち上げます。手のひらを下にし、指先を伸ばします。
３．右足の方向に、息を吐きながら体を伸ばします。足の付け根から折り曲げる感覚を持つようにし、腰から折らないように注意しましょう。
４．右手を右足の膝、すね、足首などどこでも良いので置けるところに置きます。右手に体重をかけると右足に負担がかかるので、無理は禁物。このとき、右手の指先から左手の指先までが一本の棒になったように意識します。
胸を開いて、腰が前に曲がらないように注意。左の脇腹が気持ちよく伸びる感覚を味わえればOK。足元はぐらつかないように太ももの内側を前に押し出すような意識を持ちます。
５．呼吸を止めないように３０秒キープします。反対側も同様に行います。
以上がダイエットに向いているヨガポーズです。他にもダイエット向きのヨガポーズはいろいろあるのですが、もちろん他のダイエット同様、継続することが大切で毎日こつこつ繰り返すことが一番の近道なのです。
また、ヨガは写真や動画で見ても分からないような注意点がたくさんあるものです。画像を見たままポーズを真似てみても、どこに注意すべきか、正しいポーズになっているかは意外と分からないもの。
できればヨガ教室などで実際に講義を受けてからのほうが効率的にダイエットできますし、思わぬけがも防げます。道具もほとんど必要なく家にいる時間でダイエットできるヨガ。これから毎日の習慣にしていきましょう。