「金は天下の回り物」と言いますが、現実に目を向けると、金は天下を回ってなんかいませんよね……現にこっちまで来てませんし……。お金がないならまっとうに働くことが最低条件ですが、限られた収入を少しでも増やしたいと思うのは当然の心理。人間生きていくためには、愛とお金のバランスが大事です。
ですがたいていの職場では就業規則に「副業禁止」が盛り込まれていますから、安易に兼業に手を出すと、発覚した時に重いペナルティが課せられることがあります。
かといって「すぐに稼げる!」「簡単にお金が増える!」なんてうたい文句に飛びつけばまず間違いなく業者のカモにされ、かえって持ち金を減らしかねません。そこで今回は、お金がないと嘆く人必見!リスクが少ないと言われている財テクについてお伝えします。
地道に貯金、「定期預金」
お金がない人がまず真っ先に考えるのが「貯金」ですよね。定期預金は低リスクの資産運用の代表格ともいえます。一攫千金にはなりませんが、確実に預金が増えていくからです。「ペイオフ」という預金保険制度により、1金融機関1預金者あたり元本1000万円まで+その利息が補償されています。
そのため1000万円までの定期預金なら、例え預け先が破たんしても元本割れはありません。同じ定期預金でも「積立定期預金」にしておけば、毎月一定金額が自動的に定期に回るので、お金をためるのが苦手な人でも預け忘れもなく安心です。
ただし、金利は現在0.03%~0.2%程度。お金がないからせめて貯めたい、というならともかく、一気に増やしたいと思う人にとってはおまけにすらならないのが厳しいところではあります……。
為替変動に気を付けたい、「外貨預金」
日本国内の銀行に日本円でお金を預けるのが「定期預金」なら、日本円を外国の通貨で預けるのが「外貨預金」です。基本的な仕組みは定期預金と変わりませんが、通貨が外国のものになるので、金利もその外国の金利になります。
一般的に日本に比べて外国の方が金利が高いので、お金がない人にとっては、同じ金額を預けても利息を若干多くとれる魅力があるといえるでしょう。始め方もいたって簡単、日本国内のほとんどの銀行で円預金と同様に取り扱っています。
ただし、外貨預金の条件、金利や為替レート、為替手数料を始めとした取引方法や取引時間は銀行によって変わってくるため、事前のリサーチは欠かせません。またペイオフ対象外なので、いざという時の元本保証が見込めないのはいたいところ。
為替自体も日々変動するので、お金がないから金利の高い方へ、と安易に飛びつくのは危険です。時期を分けて複数の価格で購入して変動リスクを下げたり、複数の国の外貨を買っておいて、いざという時に赤字補てんできるようにしたりと、根回しをしておく必要があるでしょう。
リサーチが必要不可欠、「投資信託」
お金がないから増やしたいと考えた時に、一度は耳にするのが「投資信託(ファンド)」。投資信託とは「投資家」から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品のこと。
証券会社や銀行、郵便局(ゆうちょ銀行)などの金融機関で購入できますが、手数料やそもそも購入できるもの・できないものが違ってくるため、これも事前のリサーチが欠かせません。購入できる商品の種類は実にさまざま、利回りも1%程度~20%を超えるものまで、と幅広いのが特徴です。
「低リスク・低リターン、高リスク・高リターン」が基本なので、お金がない人は最初は欲をかかずに低リスクのものを、様子を見ながら購入していくのが無難です。
ポイントなどを有効活用、「クレジットカード」
どんなにお金がない人でも必ずやること、それが「お支払い」!公共料金の支払いや買い物は、生きている限り必要ですが、その際ポイントカードや電子マネーを使っている人も多いのではないでしょうか。
たまったポイントは現金相当として使えるものがほとんど。どうせ支払わなければならないお金なら、ポイント還元率の高いカードに的を絞って効率よく活用するのも財テクの1つです。条件によって還元率がアップするもの、優遇対応のあるもの、手数料が割引きになるもの、など特徴はさまざま。
また、入会特典が通常時より充実している時を狙ってカードを作るというのもアリです。ただし、カード支払い時にリボ払いを選択したり、借金をしたりしてしまえば意味がなくなります。お金がない人ほど、現金払いよりも手軽に思えてしまう罠についてだけは、常に意識しておくとよいですね。
株主優待+配当金を狙え、「株式投資」
「お金がないのは事実だけど、ちょっと冒険をしてみる余裕や知識はある」という人は、株式投資も有効です。とはいえ、株式投資は比較的リスクが高いことだけは念頭に置いておきましょう。
元本割れがごく当たり前のこの世界は、NISA(少額投資非課税制度)を活用して株を始める人も増えています。NISAを使って投資したものに関しては非課税になるので、通常株式投資で利益を得た際にかかってくる20%の税金を免除にすることができます。
他にも「株主優待」や「配当金」をうまく利用するのも財テクの1つ。配当金+株主優待で高い利回りを提供している企業の株を買えば、株価がどれだけ下がっても、原則として確実に利益が出せます。とはいえ数分で状況が目まぐるしく変わるのも株の特徴。売り時・買い時の見極めがあなたの財産を大きく左右することは、覚えておいてください。
さて、一気に大きく稼ぐのは難しいのが現実ですが「お金がない」時こそ焦って煽情的かつ甘い言葉には気をつけるようにしましょう。くれぐれもお伝えしますが「一攫千金」の裏にはたいてい、「即・一文無し」になる罠が潜んでいます。
お金がないとつい飛びついてしまいそうになるものほどリスクは高いと心得てください。そのうえで、賢く知識を身につけ、ご紹介したような手段を活用できれば、着実にお金を貯めることができますよ。入ったお金はパッと使うのではなく、「貯金・補てん・運用」などに分けるようにしていきましょう。
「ご利用は、計画的に」……どこかで聞いた言葉ですがまさにその通り。この機会に自身のお金の使い方も見直すようにしてみて下さい。
まとめ
リスクの少ない財テク術とは
・ 地道に貯金、「定期預金」
・ 為替変動に気を付けたい、「外貨預金」
・ リサーチが必要不可欠、「投資信託」
・ ポイントなどを有効活用、「クレジットカード」
・ 株主優待+配当金を狙え、「株式投資」