カレーライスの付け合わせのイメージが強いらっきょう。らっきょうは非常に栄養価が高く、中国が原産で、日本へは平安時代に薬用植物として伝わりました。そのことからもわかるように、「畑の薬」とも呼ばれるほど多くの効能をもっています。その後カリカリとした独特の食感が愛され、江戸時代になると、今のように野菜の一種として栽培されるようになりました。
らっきょうの栄養といえば、玉ねぎやニンニクにも多く含まれる、血液をサラサラにする成分硫化アリルが有名ですが、もともとは薬用の植物ですから、他にも様々な効能があります。ドロドロ血液が気になる中年の男性はもちろん、女性の冷えやダイエットにも効く成分がたくさん含まれています。
今回は、そんならっきょうの栄養と効能についてお伝えします。
らっきょうは栄養満点!
血液をサラサラにする他5つの効能
生活習慣病を予防
らっきょうの栄養といえば、真っ先に思い出されるのが硫化アリル(アリシン)です。らっきょう特有の匂いの元ですが、硫化アリルには血液が固まるのを防いで、血流をスムーズにする働きがあり、血液をサラサラにしてくれるという素晴らしい効能があります。これが動脈硬化の予防や改善に役立つのです。さらに強い抗酸化作用によって、生活習慣病の原因とも言われる活性酸素を除去してくれます。
また、らっきょうの栄養成分で最近注目されているのが、フルクタンという水溶性の食物繊維です。フルクタンには、動脈硬化や心臓病、脳梗塞などの原因となる悪玉コレステロールを減少させ、不要なコレステロールを腸内で吸収、排泄させる働きがあります。また、血糖値の上昇を抑えるので、糖尿病の予防にも効果があります。
ガンの予防
硫化アリルの化合物である、ジアリルスルフィドには、がんの発症を予防する酵素を助ける働きがあります。また、抗菌作用も強力で、胃がんの原因と言われるヘリコバクターピロリ菌を死滅させる効果があります。らっきょうにはサポニンという栄養成分も含まれており、抗酸化作用が強いので、肺がんや皮膚がんを予防する効果が期待できます。
風邪の予防と症状緩和
硫化アリルの殺菌作用は、風邪の予防にも役立ちます。風邪をひいてしまった時も、らっきょうを食べると血行が良くなり、身体が温まるので熱を下げる効果があります。らっきょうの甘酢漬けはサッパリしていますので、食欲を増進させますから、風邪で食欲がない時や夏バテにも効きます。
疲労回復
硫化アリルには、ビタミンB1が体内に吸収されるのを助ける働きもあります。ビタミンB1は、疲労回復のビタミンとも呼ばれており、これを多く含む豚肉などと一緒に食べると効果が高まります。カレーライスの付け合わせにらっきょうが多いのは、らっきょうのこうした栄養のことを考えてのことだったのです。
便秘、冷え性の改善
らっきょうに含まれる栄養として注目のフルクタンは、食物繊維なので便秘の解消にも一役買ってくれます。らっきょうには、なんとゴボウの3倍もの食物繊維が含まれています。フルクタンで便秘を解消し、硫化アリルの働きで血の巡りが良くなれば、代謝が上がってダイエットにも良いですね。もちろん血の巡りが良くなるということは、冷え性改善の効果もあります。
フルクタンは水溶性なので、らっきょうを甘酢漬けなどで食べる時は、フルクタンが溶け出している漬け汁も一緒に食べると良いでしょう。ただし、胃が弱い方や下痢気味の方は食べ過ぎに注意してください。適量は1日に4粒が目安です。毎日少しづつ食べるのが効果的です。
いかがでしたでしょうか。
食卓の脇役、らっきょうには栄養がたくさん。嬉しい効能だらけです。もともとは硫化アリルがメインで注目されていたのですが、最近はフルクタンにも様々な効果効能があることがわかり、フルクタン入りの食パンやドレッシング、カレールー、清涼飲料水なども市販されているくらいです。
らっきょうは甘酢漬けで食べることが多いと思いますが、この漬け汁にフルクタンがたっぷり溶け出していますから、捨ててしまうのはもったいないですね。ご家庭でも漬け汁は酢の物に使ったり、カレーに入れて煮詰めたりと、工夫して食べることで、らっきょうの栄養を余すことなく取り入れることができます。焼酎などに入れるのもおすすめです。甘酢漬けに飽きたら、浅漬けにしたり、炒め物や天ぷらにして食べるのもおすすめです。
平安時代に中国から伝わって以来、健康食品として親しまれてきたらっきょう。その豊富な栄養を積極的に取り入れて、健康的な生活を送りましょう。
まとめ
らっきょうは栄養満点!血液をサラサラにする5つの効能
・らっきょうの二大栄養素 硫化アリルとフルクタンで生活習慣病を予防
・抗酸化力が強いらっきょうは、ガンの予防にも効果大
・身体を温め、食欲増進で風邪の予防と症状の緩和にも
・ビタミンB1の吸収を良くして疲労を回復
・食物繊維はゴボウの3倍!便秘を改善する効果もあり