接客業のプロや営業のプロでもクレーマーの心理を理解するのは難しいものですよね。特にクレームをつけられている最中は「どうしてこんな些細なことでこんなに怒るのだろう」と不思議に思ったり「クレームという名のいちゃもんだ」と腹の中が煮えくりかえるだけで、クレーマーの心理を理解しようというだけの気持ちの余裕が持てないもの。
ましてやクレーマーとうまく和解するなんて至難のわざです。しかし、火に油を注げばクレーマーはますますヒステリックになるだけですし、場合によってはクレーマーはあなたの頭を飛び越えて上司あるいは会社にクレームをつけたり謝罪を要求するかもしれません。
そんなことになれば、今度は社内でのあなたの立場が非常にまずいものになってしまいますよね。こんな事態にならないように、クレーマーの心理を読み取りうまく和解する秘訣をお伝えします。
「軽んじられた」という被害者意識が原因!丁寧に謝罪すること
クレーマーの心理の一つ目は「店員に軽んじられた」「ナメられた」という被害者意識です。たとえば自分に対する接客と他の客に対する接客に差を感じたり、自分が思っていた通りの接客をしてもらえなかったときにクレーマーは「軽んじられた」と憤慨するのです。
このようなクレーマーと遭遇してしまった場合、実際に接客に差があったのかどうかはこの際問題ではありません。客のプライドを傷つけたことが問題なのですから、とにかく頭を下げて謝罪して客の自尊心を満たしましょう。
人恋しさでクレーマーに!相手の話を聞いてあげること
クレーマーの心理の二つ目は「寂しい」「誰でもいいから言葉を交わしたい」「コミュニケーションをとりたい」です。人恋しいから、自分よりも立場の弱い店員や営業マンをつかまえてクレームをつけるのですね。クレームをつけられれば店員は無視するわけにはいきません。
店員相手にあれこれクレームをつけることで、クレーマーは寂しさをまぎらわすことができるのです。寂しさまぎれにクレームをつけられては店員もたまったものではありませんが、つかまってしまったものは仕方ありません。
このようなクレーマーに対しては、クレームを聞くふりをしながら、少しずつ話題をクレーマー自身に転換!クレーマー自身の話を聞きだしてあげましょう。身の上話や会社や家庭でのうっ憤を引き出すことができたら大成功!最終的にクレーマーはすがすがしい顔でお店から出ていってくれるはずです。
お詫びの品ほしさにクレーム!毅然とした態度で説明すること
「お詫びの品ほしさにクレームをつけてやろう」というクレーマーの心理もあります。いちゃもんでも何でも、クレームをつけることで、お店や会社からお詫びの品を受け取ることができるかもしれないという企みをもってクレームをつけているのですね。
たとえば、ラーメンに入ってもいない髪の毛が入っていたといって騒いだり、買ってきたお菓子に自分で虫の死骸を混入して写真をとるのがこのタイプのクレーマーです。このようなクレーマーに対しては謝罪したりクレームに耳を傾けるだけではだめ!クレーマーの要求がエスカレートするだけです。
事実とは違うことでクレームをつけられたり、謝罪を要求されたときには、最初から毅然とした態度でクレーマーに臨むこと!そして論理的に「そんなことはありえない」「この写真は事実ではない」とクレーマーや世間に説明することが大切です。
このとき、一瞬でも弱腰を見せたり謝罪するそぶりを見せれば、クレーマーや世間は「謝罪しなければいけないことがあるに違いない」「後ろめたいことがあるのでは?」と考えます。「これは嘘だ」というクレームについては、断固とした態度でつっぱねましょう。
「教えてあげよう」でクレーマーに!ご指導ご鞭撻を感謝すること
特に年配のクレーマーの心理で多いのが「教えてあげたい」「知らないようだから指導してあげよう」です。クレームを受ける方にとっては余計なお世話だったり、的外れや時代遅れのアドバイスであることが多いですが、ここは一つぐっとこらえて「ありがとうございます」と感謝してみてください。
年配のクレーマーは「自分のアドバイスや指導が聞き入れられた」「自分のおかげで無知な若者や常識を知らない会社が一つ賢くなった・まともになった」といって満足してくれますよ。
八つ当たりでクレーマーに!話を聞いてあげること
会社や家庭でうまくいかないことや腹が立ったことの八つ当たりにクレームをつけるクレーマーもいます。上司に言うべき文句を店員に言うことで、うっ憤やストレスを解消しているのですね。
このようなクレーマーの中には寂しさを抱えている人もいますし、日頃「軽んじられている」という被害者意識を店員にぶつけている人もいます。また、ただ単にくすぶっていた怒りやストレスが爆発したのがお店の中だったということもあります。
いずれにせよ、このようなクレーマーに対しては、言いたいことを言わせたうえでお引き取り願うのは一番です。クレームに対して反論したり、釈明したりすれば「俺を軽んじるな」といって火に油を注ぐだけですから、クレーマーの言葉が尽きるまでじっと耐えましょう。
八つ当たりでクレームをつけたクレーマーは言いたいだけ言った後は、我に返って自分の行いを恥じることが多いです。
以上が、クレーマーの心理を読み解いてうまく和解する秘訣でした。クレーマーの心理で多いのが「軽んじるな」「俺をナメるな」という被害者意識です。このようなクレーマーに対しては頭を下げて謝罪してください。
人恋しさや八つ当たりでクレーマーになってしまった人に対しては、腹の中にたまっているものを全て聞いてあげたうえでお引き取り願いましょう。クレーマーの中には、はじめから「お詫びの品を引き出してやろう」という下心をもってクレームをつけるタイプもいます。
このようなクレーマーに対しては毅然とした態度でクレームをつっぱねることが大切です。年配のクレーマーの心理で多いのが「無知な店員をわしが指導してあげよう」というタイプ、このようなクレーマーに対しては「貴重なご意見をありがとうございました」と感謝するとクレーマーを満足させることができます。
まとめ
クレーマーの心理を読み解いてうまく和解するためには
・ 「軽んじられた」という被害者意識が原因!丁寧に謝罪すること
・ 人恋しさでクレーマーに!相手の話を聞いてあげること
・ お詫びの品ほしさにクレーム!毅然とした態度で説明すること
・ 「教えてあげよう」でクレーマーに!ご指導ご鞭撻を感謝すること
・ 八つ当たりでクレーマーに!話を聞いてあげること