コミュニケーションって、自分では目の前の相手や周囲の人たちととっているつもりでも、独りよがりになってしまいがちですよね。気付くと、自分だけ楽しんでいたり、自分だけ納得していることもありますし、言いたいことの半分も伝わっていなかったなんてこともあります。
自分のコミュニケーションの基礎力がどの程度のものなのか、客観的に確かめるのは難しいですが、コミュニケーションの苦手を克服したり、自分に足りない能力を補うためにはコミュニケーションの基礎力を自分で知っておく必要があります。
「自分はコミュニケーションがうまい」と思っている方ほど、相手とコミュニケーションがとれていないことも多いですよ。ということで、今回はコミュニケーションの基礎力を確かめる5つのチェックをお伝えします。
コミュニケーションの基礎力を
確かめる5つのチェック
自分の気持ちをきちんと言葉に置き換えることができるか
コミュニケーションとは、自分の気持ちや考えを相手に伝えることです。とはいえ、自分の気持ちなんて最初から言葉として現れるわけではありません。
「もやっ」や「わさわさ」「いらいら」このような心の動きに気付いたとき、「あれ、自分は今動揺しているな」と思うわけです。その後で、喜怒哀楽のどの感情が勝っているのかを考え、「自分は今怒っているんだな」と気付く。
このとき、心の動揺に「怒り」というラベルが貼ることができ、自分以外の人に「私は今怒っています」と説明することができます。さらに考えを進めれば怒っている理由も伝えることができるでしょう。
しかし、自分の気持ちをきちんと言葉に置き換える力がなければ、コミュニケーションどころか、自分で自分自身の中に何が起こっているのかも理解できません。
自分の中で起きることに最初から言葉というラベルがついているわけではない、言葉として現れないものに言葉でラベリングしていく、これがコミュニケーションの最初の一歩です。
自分のコミュニケーションの基礎力を確かめるときには、まずは自分の気持ちをきちんと言葉に置き換えることができているかどうかをチェックしましょう。
言葉にしてみたものの、「なんか違うな」「自分の気持ちはこんなものではない」と思ったときには、コミュニケーションの基礎力が不足しています。
自分の考えを論理的に、または起承転結をつけて説明できるか
気持ちだけでなく、自分の考えやアイデアを相手に伝えることも大切なコミュニケーションです。自分の頭にあるものをそのまま口に出したのでは、相手には伝わりませんし、相手を納得させることもできません。
論理的に、または起承転結をつけて説明できて初めて、コミュニケーションが成立するのです。新聞の政治や国際のページを開き目にとまった記事を読みましょう。そして、記事に対する自分の考えや賛成反対とその理由を紙に書いてみましょう。
小論文を書く気持ちで書いてみてください。「むかつく」「よくわからないけど反対」ではだめですよ。記事を読んだときの気持ちや自分の考えを過不足なく書くことができましたか。
書いている途中で意見が変わったり、話が脱線していませんか。自分の考えをきちんと文章にできるかどうかでコミュニケーションの基礎力を確かめることができます。
自分の意図通りに相手に伝わっているか
自分の気持ちや考えを言葉にしてまとめることができたら、次は相手に伝えなければいけません。口で伝える、ペンで伝える、音楽や絵で表現する、どの方法でコミュニケーションをとってもよいですが、このときあなたの意図通りに相手に伝わっていなければコミュニケーションに成功したとはいえません。
しゃべったり自分の書いたものを誰かに読んでもらったとき、相手に誤解されることが多い、「どういうこと?」と聞き返される、自分は「反対」を唱えたのになぜか賛成派とみなされるというときには、コミュニケーションの基礎力が不足しています。
このとき、相手の力不足を責めてはいけません。発信者と受信者では、発信者がコミュニケーションの責任を持つもの、誤解のない表現をする義務は発信者が負っています。
相手の意図通りに理解できているか
コミュニケーションは双方向で行うもので、いつだってあなたが発信者になるわけではありません。相手の話を聞いたり、相手から感想を求められることもあるでしょう。
このとき、あなたがあなたの意見を伝えることは大切ですが、まずあなた自身が相手の話を相手の意図通りに理解しているのかどうかが大切です。
的外れの感想を述べてしまう、相手は「自分は賛成だ」と言っているのにあなたの中で相手は反対派になっている、相手の話を聞いたのに相手が喜んでいるのか怒っているのかも分からないというときには、コミュニケーションの基礎力のうち「聞く力」が不足しています。
おしゃべりをしたり、議論を交わしたり、悩み相談の相談役をするときに支障がでるでしょう。
相手の気持ちや話に共感できるか
いつでも相手の気持ちに共感したり同情する必要はありませんが、コミュニケーションをとるにあたっては最低限の共感は必要です。コミュニケーションの目的の一つが共感や共有、自分の仲間を見つけたい・自分の気持ちを分かってほしいという気持ちだからです。
おしゃべりをしながら、相手が怒っているのか喜んでいるのか分からない、怒られたりけんかになるまで自分が相手をいら立たせていたことに気付かないというときには、コミュニケーションの基礎力のうち、相手の気持ちを読み取ったり相手の気持ちになって考えるなどの共感力が不足していますよ。
いかがでしたか。以上が、コミュニケーションの基礎力を確かめる5つのチェックでした。コミュニケーションの基礎力を確かめたいときには、まずは自分の発信力をチェックしてみましょう。
自分の気持ちや考えを言葉に置き換えることができるか、論理的に相手に説明できるかを確認してみます。口で説明したりノートに書いてみながら、「あれ、なんか違う」「自分が言いたいことはこんなことだっけ」という違和感を覚えたら、コミュニケーションの基礎力が不足していますよ。
受け手としてのコミュニケーションの基礎力では、相手の話を聞き理解する力と相手に共感する力をチェックしてみましょう。いつも的外れな感想や批評をしてしまうときには、受け手としての基礎力が不足しています。
まとめ
コミュニケーションの基礎力を確かめるときのチェックポイントは
・ 自分の気持ちをきちんと言葉に置き換えることができるか
・ 自分の考えを論理的に、または起承転結をつけて説明できるか
・ 自分の意図通りに相手に伝わっているか
・ 相手の意図通りに理解できているか
・ 相手の気持ちや話に共感できるか