ゲシュタルト心理学を使って、長年の心の悩みを解消する方法


誰でも悩みを抱えることはありますが、心の悩みを長年抱え続けている人もいますよね。そんな悩みの解消には、ゲシュタルト心理学が役立ちます。ゲシュタルトとは、ドイツ語で「全体像」とか「かたち」という意味の言葉です。

本の中の文字は、それひとつをとっても何の意味も持ちませんが、すべてをつなげると初めて意味を持った文章になります。これと同じように、ものごとを意味のあるひとつの「全体像」として考えるのがゲシュタルト心理学です。

その基本となっているのが「気づき」。「今ここ」の気づきを得ることが心の悩みの解消に役立つと考えられているのです。そこで今回は、ゲシュタルト心理学を取り入れて、長年抱え続けた心の悩みを解消する方法をお伝えします。

感情を一人称で表現してみましょう

ゲシュタルト心理学を使って悩みを解消するには、さまざまなことを感じる自分に気づくことが大切です。そこで着目したいのが自分の感情。

私たちは目の前で何かが起こると、楽しい、イライラする、悲しいなどさまざまな感情を抱きますが、「今ここ」の自分の感情には気づいていないことが多いんです。たとえば、仕事をしているのに、周囲がうるさいと集中できずに仕事の進みが悪くなることがありますよね。

そんなとき、「うるさいな」「あの人のせいで仕事が進まない」などとイライラしますが、相手を非難しているだけで、ほとんどの場合、その瞬間の自分の感情には気づいていません。

「気づく」ことが、悩みの解消につながるので、「私は、あの人がさわいでいるために仕事が進まなくてイライラしている」というように、感情を一人称で表現してみましょう。

ポイントは、「私」を主語にして「今ここ」の感情を言葉にすること。自分を主語にすることで、今ここの感情や考えに気づくことができます。

 

嫌いな自分を受け入れて一人の自分になりましょう

ものごとをひとつの全体像として捉えるゲシュタルト心理学。これを使って悩みを解消するには、一人の自分になることも重要です。人には、多かれ少なかれ長所と短所がありますよね。

短所ばかりが目について、自分を嫌っている人も少なくないのではないでしょうか。でも、好きな自分も嫌いな自分も合わせて「一人の自分」。

ひとつの見方だけに捉われてしまうと、嫌いな自分を受け入れられずに強がって隠してしまいがちですが、これではいつまで経っても悩みを解消できません。嫌いな自分に気づいたら、それも自分の一面なのだと否定せずに、ありのままの今の自分を受け入れましょう。

 

ふたりの自分になりきって対話してみましょう

ゲシュタルト心理学をもとに生まれた「ゲシュタルト療法」と呼ばれる心理療法の中には、一人で試せるものもあります。それが「エンプティチェア」。これは、悩みや葛藤を別の自分になりきって対話をすることで、それまで気づけなかった自分に気づけるワークです。

【エンプティチェアの手順】

① 椅子をふたつ用意して、向かい合わせになるように配置する

② 一方の椅子に座り、もう一方に対話したい相手が座っていることを想定して会話を始める

③ 相手が話す番になったら、反対の椅子に座り、相手になりきって答える

④ ②~③を繰り返す対話する相手は、他人でも自分の中の考えや悩みでもなんでもかまいません。

ポイントは、自分と相手になりきって対話すること。対話の中ですべてを吐き出すことで、囚われ続けてきた感情や悩みから解放されるだけでなく、これまで気づかなかった自分の考えや悩みにまで気づけることができるようになります。

 

体の感覚に意識を向けてみましょう

ゲシュタルト心理学では、心と体は分離できないと考えられています。そこで注目したいのが、身体的感覚。呼吸、心臓の鼓動、皮膚の感覚などの身体的感覚は、過去の記憶の中や未来のビジョンの中にはありません。

「今ここ」でなければ味わうことができないのです。「今ここ」の体の感覚に気づけるようになると、今の感情にも気づけやすくなります。エンプティチェアなどの心理療法の効果もアップするので、ひとつひとつの体の感覚に意識を傾けましょう。

感覚を受け取るのが難しいと思う場合には、体のそれぞれのパーツに聞いてみる方法がおすすめです。

椅子やクッションに腰かけている場合には、それらに接している背中やお尻は何と言っているのか、靴をはいているなら、足はなんと言っているのかというように体のパーツからメッセージを受け取ってみるとよいでしょう。

 

このように、大小あれど、誰もが悩みを抱えているものですが、長期にわたって心の悩みを抱え続けている人も少なくないですよね。そんな悩みの解消には、ゲシュタルト心理学がおすすめです。

ゲシュタルト心理学では、「今ここ」の気づきが悩みの解消に役立つと考えられています。それは、過去を変えることも未来を決定することもできないからです。

まずは、感情や考えを「私」で表現して、自分ではなかなか気づけない「今ここ」の自分の感情に気づきましょう。ゲシュタルト心理学では、心と体は切り離せないと考えているので、体の気づきに着目することも大切です。

心臓の鼓動や呼吸、皮膚の感触など体の感覚にも意識を向けてみましょう。長年の心の悩みに苦しんでいるときには、ぜひここにご紹介したゲシュタルト心理学を参考にしてみてください。


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