お彼岸とは何かを理解して、先祖を供養する方法

お彼岸とは何かを理解して、先祖を供養する方法
お彼岸とは、と聞かれたらたいてい「お墓参りに行く日」という答えが返ってきそうですよね。その答え、正解です!そもそもお彼岸とは、春分の日と秋分の日を「彼岸の中日」としてその前後3日間を含めた合計7日間を指し、この期間にお墓の掃除や墓参、法事を行い故人を偲ぶのが通例です。

もちろん昔に比べライフスタイルが変わっているので、必ずしもお彼岸に墓参ができるとは限りませんから、あまり気に病む必要はありません。しかしできるならば行うにこしたことはありませんし、行うからにはきちんとした形と敬いの心で丁寧に墓参をしたいところです。

そこで今回は、お彼岸とはどんな日なのかを再確認しつつ、心にとどめていただきたいポイントについてお伝えします。

お墓参りは無理に中日にしなくても大丈夫です

お彼岸とは春分の日を中日として前後3日間を含む「春彼岸」と秋分の日を中日として前後3日間を含む「秋彼岸」の2回を指しますが、では、お墓参りはいつ行けばよいのでしょう。答え、「この期間内ならばいつでもOK」です!ちなみにこの期間毎日墓参することもありません。

お彼岸とは先祖供養、だからお彼岸当日に!と思ってしまう方も多いようですが、本当はそこまでこだわることもありません(可能ならばその日に設定してもよいでしょう)。春彼岸の合計7日間、また、秋彼岸の合計7日間の中で1日お参りに行けば大丈夫。

お墓が遠方にある・日々の仕事などが忙しくてなかなか足を運べない、という人はこの期間にそっと故人や先祖を偲んで手を合わせるだけでもよいですし、お彼岸という期間にとらわれず、行けるときに足を運んでもよいのです。

 

時間帯は午前中から午後3時くらいを目安にしましょう

お彼岸とは先祖を敬い偲ぶ日、普段の汚れがたまってしまったお墓を掃除し、花やお供え物を手向けに行く方が多いことでしょう。遠方から駆けつけたり、この期間に法事を執り行う方もいらっしゃるかもしれませんね。

となると、掃除をして、余裕を持った気持ちでお参りして……といった段取りを考えたら、やはり午前中から動くにこしたことはないでしょう。お彼岸とはお墓だけではなく、その区画のゴミ拾いや草むしりまで含めた掃除をするのが通例ですから、明るいうちの方が行いやすいのは確かです。

お墓参りだけでも、午後3時くらいまでには済ませたいものです。霊園には開園時間帯を設定しているところもありますし、お寺の場合でも、夕方以降はご迷惑になりかねません。足場の悪い墓地なら思わぬ怪我につながる可能性も高くなってしまいますよ。

 

服装にもちょっと気を配りましょう

子供ならいざ知らず、お彼岸とは社会人のマナーですから服装もある程度はきちんとしておきたいものです。基本的に普段着でかまいませんが、カラフルだったり派手だったり、あまりにも普段着すぎたりするもの(スエットやジャージなど)は適しません。

色も黒や灰色、紺といったダークな色合いを選びましょう。お彼岸とは法要を兼ねることもありますから、その際は礼服・略式の礼服で参列するとよいですね。

女性なら、普段着にも礼服にも見えるワンピースを持っていると、お彼岸に限らずフォーマルさを求められる場でも対応できるのでおススメです。たいていはお墓の掃除・お墓参りから法要といった流れになるでしょうから、ある程度動きやすさを重視しておきましょう。

 

掃除の際の持ち物・注意点を覚えておきましょう

お彼岸とはお墓参りだけではなく、お墓の区画を掃除して清めるのが通例です。ここでは持ち物と掃除の注意点について確認していきましょう。

【持っていきたい掃除用具】

・ごみ袋
・手桶
・ひしゃく
・ブラシやスポンジ(歯ブラシのような小さなブラシ)
・タオル類
・ほうき、ちりとり

手桶やひしゃく、ブラシなどはお寺や霊園で貸し出しているところもありますから、事前に確認しておくとよいでしょう。

【掃除の仕方】

・お墓周りのごみや雑草を取り除きます。
・文字が彫られている部分にたまっているごみや埃は、
歯ブラシのような小さなブラシで落としていきます。
・墓石の汚れは優しく落とし、水で洗い流したら必ずタオル類で水気をふき取りましょう。
※金タワシのようなものでごしごしとこすらないこと!
⇒墓石のコーティングがはがれてしまうため、傷や傷み、汚れの原因となってしまいます。
※お墓の水気は必ずふき取りましょう。
⇒これも墓石の傷みの原因となります。
※お彼岸とは故人を偲ぶ、とはいえ、いくら故人が好きだったとしても、
墓石に直接お酒をかけるのは厳禁!
⇒どうしてもという場合は、お墓周りの砂利や土に撒くようにしてください。

 

お供え物に関する注意点をおさえておきましょう

お彼岸とはお墓参りがメイン、掃除とお供え物は必要不可欠……というわけで、ここではお供え物についての持ち物と注意点について確認していきましょう。

【持ち物】

•お花
•線香
•お供え物
•ライター

【お供え物の注意点】

・お彼岸とはぼたもち、おはぎ(同じものです)と思い浮かべる人も多いかもしれませんが、基本的に故人の好きなもので大丈夫です。

・お供えをしたら、その場で召し上がるか持ち帰りましょう。置きっぱなしにすると腐ったり、鳥や動物に荒らされて後々大惨事になります。「お供え物は墓地から持ち帰ると死者がついてくる」と、忌み嫌う地域もあります。

もしもそういった風習が根強く残っている地域にお住まいなら、お供え物はその場でみんなで全部食べるか、お墓ではなく、仏壇に供える方が良いでしょう。

【お供えのお花の注意点】

・故人が好きでも棘のある花(バラやアザミなど)や毒のある花(トリカブトやスズラン)などはあまり適していません。

・匂いのきつい花、けばけばしい花、散りやすい花、頭がもげるように花がボタリと落ちるものは避けた方が無難です。

・お彼岸の時期は来訪者が重なりお花を供えるスペースがなくなる可能性も。花束は他の人のことも考え、あえて小さめにするという手もあります。お彼岸とは故人を介していろんな人とつながる期間でもあります。他の人のことまで気を配れるとよいですね。

 

このように、お彼岸とは故人や先祖を供養すると同時に、あなた自身のルーツに思いを馳せる期間ともいえます。なによりもまずは、故人を思う気持ちが大事です。どうぞゆったりとした気持ちで向かい合ってあげてくださいね。

同時に、お彼岸とは故人の意外な関係や一面を別の人から知ることができたり、故人を介して今現在を生きている人と縁がつながったりするよい機会でもあります。一社会人として恥ずかしくないよう、一般常識や対人におけるマナーはしっかりとおえておきたいところです。

特に既婚女性は、嫁ぎ先の親戚関係や風習などに戸惑うこともあるかもしれませんが、教えを請う気持ちで(その時だけでも)謙虚に受け止めることが、うまくやっていく秘訣です。

まとめ

お彼岸の際に覚えておきたい常識とは

・ お墓参りは無理に中日にしなくても大丈夫です
・ 時間帯は午前中から午後3時くらいを目安にしましょう
・ 服装にもちょっと気を配りましょう
・ 掃除の際の持ち物・注意点を覚えておきましょう
・ お供え物に関する注意点をおさえておきましょう

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