離婚したいけど、子供がいる夫婦が乗り越えるべき試練とは


離婚したい夫婦がすべきことは何だと思いますか。慰謝料の決定や財産分与の決定はもちろん大切ですが、子供がいる場合にはまず優先すべき事は子供に対する対応と子供に関する諸々の取り決めの決定ですよね。

離婚したいというのは夫婦間だけの問題であり、両者の間で合意が取ることができれば問題ないと考える人もいるかもしませんがそれは大きな間違いです。子供がいる夫婦の離婚において、最も大切なのは、子供のケアと子供の将来の幸せを可能なかぎり考えた上での選択をすることです。

子供は両親の離婚によって精神的に傷つき、場合によっては経済的な苦しさ、友人との関係性の悪化など様々な点で被害を被ることになるのです。

そこで今回は離婚したいと考えている、子供がいる夫婦が離婚成立までに乗り越えなければいけない試練や手続きについてお伝えします。

まずは子供への説明

離婚したいと思い、夫婦間で離婚をしようという話が進み始めたら、まず子供に離婚について説明をして理解を得ることが最初の試練になります。

乳幼児など、まだ物心がついていない年齢の子供の場合には、両親が別々になってしまうことをわかるように言葉で伝えましょう。一方、離婚の意味が理解できる子供に対しては、子供が理解できるように丁寧に説明をしましょう。

子供が嫌だと拒否するかもしれませんが、両親ともに謝罪をすること、離婚することがベストな選択だという事を話して可能な限り理解を得ておくことが重要です。

 

子供の精神面のケア

離婚したいということを子供に打ち明けた時に、子供があからさまに泣いたり、反発した場合には、子供の精神的なケアをしなければいけないということが明白ですが、子供が気をつかって我慢をしている場合、親は「大丈夫なんだ」と安心するでしょう。

しかし、どんなに強い子供でも、両親の離婚で傷つかない子供はいません。子供の前で夫婦が喧嘩をしたり、お互いの悪口を言わないようにしましょう。そして、必要に応じてカウンセリングを受けるという選択も視野に入れておきましょう。

 

離婚時期の決定

子供がいる夫婦が離婚したいと思ったら、自分たちの都合だけで離婚をする時期や日取りを決めるのは良くありません。子供のことを優先的に考えて離婚する時期を決定しましょう

子供が受験を控えている場合には受験が終わってからするべきですし、就職活動や資格試験勉強中であれば、それが終わってからにすべきです。また、転校が伴う場合には新学期が始まる時など節目の時期が良いでしょう。

 

子供の親権の決定

子供がいる場合には、夫婦がいくら離婚したいと思っても、子供の親権と監護権の折り合いがつかなければ離婚することはできません。親権とは子供の代わりに法的行為をする権利で、監護権は子供を育てる権利で、一般的に親権と監護権は同じ親になることが多いです。

親権は子供が未就学児や10歳未満の場合には母親が得ることが多いですが、10歳以上になると子供の心身状態や意思を尊重して決定します。子供に自分を選ぶよう強要したり、親権を奪い合う醜態を見せないようにしましょう。

 

養育費の金額と提出

離婚したい夫婦に子供がいて、さらに子供が未成年、もしくは就職していない場合には、養育費について決定しておかなければいけません

子供の養育費は子供が18歳もしくは20歳、大学に進学した場合には入学後4年間支払うという義務になっています。また、養育費の金額は子供の人数、支払う側の年収などの条件の元、相応しい金額に決定します。この取り決めを公証役場に提出しておけば、支払いが滞ったときに請求することが出来るのです。

 

子供の苗字の決定

子供がいる夫婦が離婚したい場合、些細なことのように見えて実は重要なのが子供の苗字をそのままにするか、母親が親権を得た場合に母親の旧姓に変えるか決定することです。

子供がまだ学生の場合で、夫婦が離婚をする際に転校をしない場合には、ある日突然苗字が変わってしまう事になりますから、とても重大な決定事項です。妻が離婚後に旧姓に戻さない場合には問題ありませんが、旧姓に戻すかどうかも慎重に検討しなくてはいけません。

 

やはり離婚したいというのは、夫婦間同士だけの問題ではありません。子供がいる場合には、子供にとっては一大事ですよね。両親の離婚というのは、子供本人が精神的に傷つくこともありますし、学校でいじめられたり、近所からの見る目が変わったり、と、それまでの普通の生活が一変してしまう可能性が大いにあります。

成人する前の子供は精神的に多感な時期です。子供が精神的に受けるダメージは最小限にしてあげるよう配慮をしましょう。離婚したいという気持ちが先行して子供の事が二の次になってはいけないのです。

今回お伝えした、離婚したい夫婦が乗り越えるべき試練は、どれも話がこじれたり、その状況次第では、離婚の時期が決定できずに先延ばしになってしまう可能性もあります。しかし、子供のためを思って、妥協のないように進めましょう。

まとめ

子供に迷惑をかけないために離婚したい両親が考えるべきこととは

・離婚をするということを子供に説明して理解をしてもらう
・離婚によって子供が受ける精神的なダメージのケアをする
・離婚をする時期を子供の生活を中心に検討して決める
・子供の親権と監護権をどちらにするか決める
・子供の養育費の金額を協議して決める
・子供の苗字をどちらの苗字にするか決めて手続きをする


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