正座をして足のしびれを感じることはありますか。現代日本では、正座をする機会はほとんどなくなったと言えますよね。畳の部屋が少なくなり、食事はテーブルを囲んで椅子に座るのが主流となってきているからです。昔の日本では、畳にちゃぶ台を置き、正座で円卓を囲ったものです。そのため日本人は「正座をしてあたりまえ」の民族でした。
しかし現代日本では、正座をする機会すらほとんどなく成人する人も多いですね。そんな現代日本でも、柔道や剣道などの部活に入った時や、かるたや将棋などをするときにはやはり正座をすることになります。また、結婚式やお葬式などの冠婚葬祭の場でも、急な長時間の正座を強いられることになります。
正座になじみのない人がいきなり正座をしなくてはならない時、100%足はしびれて立ち上がれなくなるでしょう。そこで今日は、長時間正座をしても、足のしびれを感じにくい方法をお伝えします。
下に来る足を交互にかえる
正座をするとき、両足の甲の部分を重ねることが一般的です。両足を重ねずにそれぞれの足をぺたんとおくよりは、足を重ねて正座した方が美しく見えるからです。しかしこの時、下になった方の足のしびれは尋常ではありません。立ち上がれなくなるほどの足のしびれが襲ってくることがあります。
そこで、長時間の正座の間に、定期的に下に来る足を入れ替えましょう。右足が下の状態を5分。次に左足を下にもってきて5分、というように足を入れ替えることで、足のしびれを防ぐことができます。下になっていた足を上に置き換えると、正座をしながらその足がしびれることがありますが、涼しい顔でやり過ごしましょう。
お尻を少し浮かせる
正座による足のしびれを回避するために、超人ともいえる方法があります。それはズバリ「お尻を浮かせる」ことです。お尻を浮かせることで、足に重心がかからずに圧迫を防ぐことができるのです。
しかし「尻浮かせ」は腹筋を必要とした力のいる姿勢です。どうしても足のしびれに我慢できなくなったときに、こっそりとできる範囲でお尻を浮かせて試してみてください。
上体を前後に動かす
長時間正座をして足のしびれを感じたら、上半身をゆっくりとわからないくらいの範囲で前後に動かしてみましょう。それによって足にかかる重心の位置が変わり、しびれている箇所に血液が巡ります。
正座による圧迫で血流が滞っていたところにいきなり血が巡ると、それはそれで過激なしびれが襲ってくるので、しびれる前に定期的に上半身の位置をずらすのです。また、上体を動かすことで重心が変わり、足にジーンとしびれが走る場合でも、しびれが治まるまでは同じ姿勢で涼しい顔で耐えましょう。
重心を意識して移動させる
上半身を動かすことや、お尻を浮かせることで、自分の足にかかる重心を操作して足のしびれは緩和できます。「これから長い時間正座をする」とわかっているときは、足の重心がどこにかかっているかを注意して観察し、一か所に重心がかかりすぎないように工夫しましょう。
正座を長時間するときは、厳粛な場であることが多く、足を崩せる雰囲気ではない場合が多いため、気づかれずに重心をかける場所を変える必要があります。
背筋を伸ばす
正座をしたときの足のしびれを緩和するために大切なのは、実は上半身なのです。上半身を猫背でだらりとしていると、下半身に体全ての重心がかかり、足のしびれは悪化します。しかし正座をしているときに、背筋をぴんと伸ばして、あごを引き、頭のてっぺんを糸で吊られているように意識して座ってみてください。
腹筋と背筋にしっかりと力を入れて、上体を支えるのです。すると、下半身にかかる負担が少なくなるのです。「背筋を伸ばそうが曲げようが、重力は変わらないだろう。」と考えるかもしれませんが、上体を姿勢よく伸ばすことで足のしびれを予防できるのです。お疑いの方は是非お試しくださいね。
ちなみに、普段から猫背で腹筋や背筋の少ない方は、「背筋を伸ばす」ことだけで体力を消耗するかもしれません。
つま先をそらせて座る
弓道などをするときに、正座ではなく「跪座」という座り方をすることがあります。跪座は、正座をする手前で、足の甲をぺたんと床につけずに、つま先をそらせて立たせたまま上体を起こした座り方を指します。
つま先を立てた分、座った時の座高も高くなりますが、正座でどうしても足のしびれが辛くなったときに跪座をして一時しのぎすることもあるのです。跪座も長く続けると足のつま先にしびれがおきる場合があるため、あまり長くしないようにしましょう。
さて、長時間の正座による足のしびれの緩和法をお伝えしました。昔の人は生活の中で正座をする機会が多かったため、正座になれていたので、現代人ほど足のしびれに悩まされることもありませんでした。
しかし膝から下の血行が良くなかったために、昔の人は低身長だったという説もあります。現代人は正座をほとんどしなくなり、トイレもしゃがみではなく座ってする形になったために、平均身長が著しく伸びたそうです。
話が脱線しましたが、正座による足のしびれに耐えるためには、足の血流を良くする方法をこっそりと行えばいいのです。なかなか難儀かもしれませんが、上に紹介した方法を順番に試して、長時間の試練を乗り越えてください。